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松竹映画に出てくる「いいセリフ」をご紹介します。

お前、さしずめインテリだな?それじゃ余計女にモテないよ。ダメだ、あきらめな。

「男はつらいよ 翔んでる寅次郎(第23作)」より

行商先の北海道・支笏湖畔で、男(湯原昌幸)に襲われかけたひとみ(桃井かおり)を救った寅次郎(渥美清)。ひとみは田園調布の富豪令嬢で、結婚を間近かに控えていたがマリッジブルーからの現実逃避で北海道を旅していた。帰京後まもなく、結婚式を逃げ出し柴又へ寅次郎に会いに来たひとみは、とらやで暮らし始め、寅次郎との距離が縮まる。しかしそこへひとみと結婚するはずだった邦男(布施明)が度々訪れるようになり、ひとみへの執着を見せる。失恋豊富な寅次郎は邦男を慰めるが、難解な御託を並べる邦男に対して、ひとみを諦めるよう言い放った言葉。辛辣な放言に聞こえるかもしれないが、寅次郎は、容姿端麗な見た目や家柄だけではなく、意外に純朴で真っ直ぐな邦男という男の天性の魅力を理解しており、そのうえで男らしい潔さを身につけるよう示唆する、温かい言葉です。

その他のちょっと良いセリフ

命を軽んじるのが武士ではありません。
命に感謝し、毎日を懸命に生きよう
それが武士の、いえ、人の在るべき姿です。
人は生きてこそ誰かの役に立てるのです。

「大名倒産」より

家族とお国を守るために、分かっていながらも権力者の命に逆らえず罪を犯したことへの贖罪として自死を選ぼうとした実直な侍を、ぎりぎりのところで踏みとどまらせた小四郎(神木隆之介)のセリフ。
自ら選ぶ死はいかなる理由があれど、余程の特殊な場合を除き、決して本当の意味での贖罪にはなり得ません。それで満足するのは残念ながら死にゆく当人のみです。つまり単なる自己満足なのです。
ならば、その命を絶たず、家族のために、世話や恩や受けた誰かのために使う、それが生を受けた者の使命であり、生きる意味です。
思い詰めた時だけでなく、日々復唱したいほどの金言です。

労働者諸君!田舎のご両親は元気かな。たまには手紙をかけよ。

「男はつらいよ 寅次郎真実一路(第34作)」より

飲み屋で文無しだった寅次郎を救ってくれたことが縁となり意気投合した証券マン富永健吉(米倉斉加年)が、ある日激務と競争に疲弊し突然失踪した。富永夫人・ふじ子(大原麗子)と捜索に出る寅次郎(渥美清)だが、美しく気立ての良いふじ子とのあらぬ将来を妄想してつい気をよくしてしまい、タコ社長営む印刷所の住みこみ工員たちにかけた言葉。あながち軽い発言ではなく、この作品に通底する過剰労働への警鐘に通底する社会への提言、すなわち、仕事ばかりにかまけるのではなく、しっかり休んで、わが身や家族を顧みようというメッセージとも言える。

ハンカチ渡してもいいですか?

「遙かなる山の呼び声」より

北海道・中標津の酪農地帯で、亡き夫が遺した農場を女手一つで営む未亡人・風見民子(倍賞千恵子)とそのまだ幼い一人息子・武志(吉岡秀隆)のもとで住み込み作業員として働く、素性を明かさぬ謎の男・田島耕作(高倉健)。
寝食だけ提供してもらえれば無給でもいいから働かせて欲しいという田島を渋々と雇い入れ、しばらくは警戒心を隠さなかった民子でしたが、息子の武志が田島に懐き、また田島も武志を可愛がっていることや、民子に一方的な思いを寄せる虻田(ハナ肇)が民子に乱暴しかけた際に田島が颯爽と勇躍し虻田を撃退したこと、その復讐にと虻田がゴロツキ三兄弟でやって来たのを軽く返り討ちにし、終いには逆に三兄弟に慕われるようになった田島に心を開き、その朴訥としながらも実直で温かみのある魅力に惹かれるようになっていました。
しかし、身辺に警察の捜査が迫ってきていたことを悟った田島は、民子たちのもとを去る決意をします。2年前、田島は借金苦で自殺した妻を葬式で罵った金融業者を殴り殺し、警察から逃げていたのでした。それを聞いた民子はショックを受けますが、すでに惚れていた田島に居て欲しいとすがりつきます。ですが、その甲斐なく、ついに警察に逮捕された田島は、立ちつくす民子と泣きながら追いかける武志の元から去って行くのです。
このセリフは、ラストシーン、刑が確定し列車で網走刑務所へ護送されている田島を駅で発見した民子が、田島の護送車両に乗り込み隣の席に座り、涙ながらにいつまでも出所を待つと伝えた際に、護送刑務官に言った言葉です。ハンカチの色は、黄色。『幸福の黄色いハンカチ』と同様に映画史に燦然と輝くこの圧巻のラストシーンで、自分(民子)の涙、田島の涙、刑務官の涙、そしてこの映画を観ている我々の涙をもまとめて拭いてくれるような、まるでそんな巨大な黄色いハンカチが存在するような錯覚さえ覚える、圧倒的な映画の力が漲る場面とセリフです。

どこにでも行ければいいってもんじゃないんだよ。
ここには山も海もある。お前の心は丈夫だし。

「つぐみ」より

生まれつき病弱で、常に死の恐怖を感じながら、死を覚悟しながら、生まれの地・西伊豆から出られずに人生を送っているつぐみ(牧瀬里穂)。
病弱で生まれてきたことへの引け目や、ある種の憐憫から、家族や周囲はつぐみを優しく甘やかし、そのせいで、傍若無人な我が儘さや、攻撃的な物言い、その一方で何があってもへこたれないタフな精神力を持った少女へと成長したつぐみですが、その不思議な生命力に、友人まりあ(中嶋朋子)をはじめ周囲の人間たちは何故か心をひきつけられ、どんなに乱暴な行動があっても、どんなに辛辣な発言をされても、つぐみを憎めず、嫌いになれないのでした。
すなわち、つぐみは、か弱い身体と強靭な精神力が一体となった、アンビバレンツで不思議な魅力の持ち主でした。とはいえど、病弱であることに変わりなく、このセリフは、つぐみと運命的に出会った恋人・恭一(真田広之)が、いつになく不調の波に襲われていたつぐみにかけた、地味で素朴な中にも愛情と励まし、そして切なる願いがこめられた言葉です。
いくら強気なつぐみでも、病弱なせいで地元・西伊豆を出られずに一生を終えることになりそうな事については、さびしく悲しく思っていることは確かで、そんな彼女を力強く全肯定する恭一からの言葉に、最後の決心をするつぐみでしたが・・・

そうよ、人生は賭よ。

「男はつらいよ 純情篇(第6作)」より

印刷工場から独立を夢見る博(前田吟)を、義理人情に欠けリスクもあると諭すサクラ(倍賞千恵子)に対して、危険や不安を恐れていてはなにもチャレンジできないと反論する博に、まるで自らを鼓舞するかのように同調し応援する寅次郎(渥美清)の言葉。

どこにいたって、愛がありゃあ、天国なんじゃないの?そういうもんだよ。

「男はつらいよ 夜霧にむせぶ寅次郎(第33作)」より

寅次郎(渥美清)旅先の宿で相部屋となったのは、男を作って逃げた女房を東京から遥々連れ戻しに北海道の根室までやってきたサラリーマン・福田栄作(佐藤B作)。本来は賑やかな都会が好きな性格の女房がこんな人里離れたド田舎で幸せに暮らしてるのかと訝しむ男に、寅次郎が言ったひと言。幸せに場所は関係ない。旅また旅で根無し草の人生を送ってきた寅次郎ならではの発言とも言える。

社長の資格は第一に運の強さ。第二に周りを明るくする性格。

「釣りバカ日誌2(第2作)」より

鈴木建設の後継者についてスーさんが考える経営者の資質。なぜか浮かんでくるのは会社幹部ではなく、ハマちゃんの顔でした。

世間にはね、したくなくてもする必要がある事がたくさんあんのよ

「乾いた湖」より

事業家だった父が政界汚職に巻き込まれ自殺、残されたのは母、姉、妹(岩下志麻)の女三人家族と巨額の税。
そんな三人の生活を支えているのは、姉が稼いでくるお金。では、姉はどうやって稼いでくるのか?どんな仕事をしているのか?
その答えは、愛人稼業でした。しかも、その相手は、父を自殺に追いやった悪徳政治家。
姉は父を殺した男の愛人になり、その愛人手当で残された三人が生活できていたのです。
そしてその首謀者は、なんと母でした。まだ嫁入り前の姉を、男に愛人として差し向けたのです。
そんな衝撃の事実を知り半狂乱で反発する妹に、母が諫めるように放った、あまりに現実的すぎる言葉がこの酷薄なセリフです。
もしかしたら、夫を自殺に追い込まれ実質的に殺されたことで、母の理性と思考のタガが外れてしまったのかもしれません。
ただ、残された三人がお金を稼いで生きて行かねばならない事は現実。母は強し。
その傍らには、ただただ涙ながらに妹に謝る姉の姿がありました。

まぁ あれだな
つらいこともあるんだろうけど 辛抱してやれや
一所懸命辛抱してやってりゃ いいことあるよ

何か困ったことあったら いつでも来いや

「幸福の黄色いハンカチ」より

失恋した花田欣也(武田鉄矢)は会社を辞めた退職金で新車を買い、心の痛手を癒すために北海道へ旅に出ました。道東で訳アリっぽい小川朱美(桃井かおり)という女性と出会った鉄也は、網走刑務所から出所したばかりの島勇作(高倉健)とも知り合い、三人で旅を進めます。
勇作は夕張の炭鉱で働き結婚していましたが、流産をきっかけに妻・光枝(倍賞千恵子)が前夫との間でも流産していた事が発覚、秘密を嫌った勇作は光枝と諍いを起こし、やけになって出かけた夜の歓楽街でチンピラたちに絡まれ、そのうちの一人を殺してしまったのでした。
粛々と受刑の日々が進むなか、まだ若い光枝の将来の再婚と出産のためによかれと獄中で離婚を強行していた勇作ですが、刑期を終える直前に光枝に手紙を送りました。そして、その手紙に勇作が込めたメッセージの結末を確かめに、三人はいちかばちか勇作の妻のもとへ、はるばる夕張へと向かうことに。
道中、ひょんなことから勇作が車を運転することになりますが、そこで運悪く検問に引っ掛かり、服役中に免許が失効している勇作の無免許運転が発覚してしまいます。しかし、勇作が逃げようとも隠そうともせず正直に自白したこと、そして運よく奇遇にも所轄警察署の交通係長・渡辺(渥美清)が、かつて勇作が夕張で殺人事件を犯した時の担当警察官だったことで、無免許運転が軽微な処分で済まされたのです。
このセリフは、そんな勇作との久しぶりの再会を喜んだ渡辺係長の、多くを語らない勇作の性格と、服役中の模範的な囚人生活を推察し、さらには出所後の心境をも慮っての言葉です。まるで同じ渥美清演じる『男はつらいよ』シリーズの寅次郎度々口にしているようなセリフで、ある意味本作ならではの独自性はありませんが、名優・渥美清の、噛んで含めるような口調と表情、行間から溢れる滋味深い人間味も相俟って、じんわりとしっかりと、確実に心に沁みるのです。

僕はあなたを幸せにする自信はありません。しかし、僕が幸せになる自信は絶対ある!

「釣りバカ日誌(第1作)」より

みちこさんがスーさんに話した、ハマちゃんのプロポーズの言葉です。こんなプロポーズされたら、絶対にOKっていいたくなりますよね。

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