松竹の2000本以上の映画作品から、オススメ映画をご案内

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松竹映画に出てくる「いいセリフ」をご紹介します。

大丈夫、そんな心配することはありませんよ。

「男はつらいよ 口笛を吹く寅次郎(第32作)」より

墓参りに訪れた岡山・備中高梁の寺で、家事を仕切る出戻り娘の朋子(竹下景子)に一目惚れした寅次郎(渥美清)は、成り行きで坊さんの真似事をしてしばらく暮らすことになった。ある日、寺の住職・石橋泰道(松村達雄)と、写真家を目指す息子・一道(中井貴一)が言い争いとなり、一道は写真家への夢を叶えるために家を出て東京に向かうことに。そんな弟・一道を心配する姉の朋子に寅次郎がかけた言葉。それは男子たるもの父親と喧嘩して家出するぐらいじゃないと一人前になれないという、寅次郎の自らの過去を顧みつつの信条に根差していた。そんな寅次郎の温かくも力強い言葉に励まされた朋子は、次第に寅次郎に惹かれ…。

その他のちょっと良いセリフ

人を愛することは 厳しいことなんだよ
それは戦いでさえある

「愛と誠」より

東京の財閥の娘・早乙女愛(早乙女愛)は、幼少時に蓼科の別荘でスキーをしている最中に危うく谷に転落する寸前、地元の不良少年・太賀誠(西城秀樹)に助けられるが、その時に彼の額には深く大きな傷が残った。
9年後、同じく蓼科で高校の部活合宿中に暴走族の襲撃に遭う愛を、偶然にも誠が再び助けるという運命的な再会を果たす二人だが、誠は警察に補導されてしまう。
愛は、過去と現在の二重の償いをすべく、父の権力で、誠を自分も通う名門・青葉台高校に転入させた。しかし、誠は手段を選ばぬ暴力で学園を支配し、その横暴は日増しに激化、誠を転入させた愛の立場も悪くなっていた。
そんな誠の常軌を逸した暴君っぷりが、かつて自分を救った際に負った傷に起因し、そのせいで誠の家族は離散、そんな運命への復讐として、無軌道な暴力人生を送っていると知った愛は、学園と親に内緒のアルバイトを始め、稼いだ金を誠に貢ぎ始めるが…。
このセリフは、愛へ一方的な恋心を寄せる同級生の岩清水弘(仲雅美)が、誠への贖罪に身を持ち崩しながらも暴走する愛を見かねて発した言葉。単に金を与え甘やかすことは共依存の負のサイクルが加速するだけで、愛のためにも誠のためにもならない、それは贖罪にもならないと諭す。
いくら引け目や負い目があるからといって、悪を悪だと諭せない不毛な関係の先には堕落しかない。映画の中ではそこまで描かれてはいませんが、自分が恋慕する相手でも道を逸れていれば甘い言葉を捨て厳しく諫めるこの岩清水弘という男は、なかなか見どころのある人物なのかもしれません。

生き延びるため、時には長きものにも巻がれなければならぬ!

「超高速!参勤交代」より

たった4日で参勤交代!?お上に無理難題をおしつけられた弱小貧乏藩。「あ~こういう時ある!」と思わず共感してしまう名セリフ。
ここであきらめないのが湯長藩の底力。金なし!人なし!時間なし!藩と領民を守るため、知恵をしぼって逆境に立ち向かう奇想天外な作戦の数々は一見の価値あり。

思ってるだけで何もしないんじゃな、愛してないのと同じなんだよ。

「男はつらいよ 寅次郎の青春(第45作)」より

宮崎の旅館で、寅さんと満男が泉との恋について語る男同士のシーン。愛しているなら態度で示せよ、と語る叔父さんの言葉は重みがあります。

そうよ、人生は賭よ。

「男はつらいよ 純情篇(第6作)」より

印刷工場から独立を夢見る博(前田吟)を、義理人情に欠けリスクもあると諭すサクラ(倍賞千恵子)に対して、危険や不安を恐れていてはなにもチャレンジできないと反論する博に、まるで自らを鼓舞するかのように同調し応援する寅次郎(渥美清)の言葉。

好きなことがあるのはいいことなんじゃないかな

「私がモテてどうすんだ」より

"ヲタクを隠そうとした花依(山口乃々華)に、六見先輩(吉野北人)がかけた言葉。
人目を気にするのではなく、自分の「好き」を大切にしていいんだ…と背中を押された観客も多かったのでは!?"

――腹 割かれたくなかったんじゃないの?
――浮いてんだろ?
  梶の横っ面(つら)張るまでは沈まないよ

「GONIN2」より

(劇映画などフィクションの世界では)ヤクザのオーソドックスな死体処理の仕方の一つに、海に沈める、というものがあります。ただし、ただそうする訳ではありません。死体の腹部を裂いて体内のガスを、ある程度手間と時間をかけて、入念に抜くのです。それを怠ると、やがて死体の中でガスが膨張するなどして、せっかく沈めた死体が浮き上がってきてしまうのです。余裕があれば、相当な重量の重りと共に沈める、という場合もあります。
このセリフは、ヤクザの末端組織に属するチンピラの梶(松岡俊介)という男に身も心も許し、運命をも委ね、共に犯罪に手を染めたが、土壇場で裏切られ重傷を負った女・直子(片岡礼子)が、傷が癒えぬままプールを泳いでいた場面で、直子の傷を手当てした蘭(余 貴美子)が心配してかけた言葉と、それに対する直子の返答です。
この短い対話には、先述した恐ろしい死体処理をするヤクザに絶対に捕まらない、殺されない、腹を裂かれない、すなわち「沈まない」という強い意志と、愛し信じていたのに自分を裏切った男に復讐するまでは絶対に死なない、すなわち「沈まない」(重傷を負っているにもかかわらず実際にプールに「浮いて」泳いでいる)というもう一つの強い意志、「沈まない」で生き延びる二つの意志が表現されています。
心身ともに傷ついた女たちが、水面煌めく夜のプールを、手負いであることを忘れたかのように、無邪気に戯れる人魚さながら浮かび泳ぐ、詩情すら漂う美しい場面ではありますが、意志は強し、病は気から、を象徴的に描いた力強い場面とも言えます。いかなる窮地にあっても、そんな強い気持ちを持ちたいものです。

そのうち良いことあるから、な

「男はつらいよ 寅次郎春の夢(第24作)」より

新市場開拓にアメリカから日本にやってきたビタミン剤のセールスマン、マイケル・ジョーダン(ハーブ・エデルマン)は、日本での飛び込み営業がことごとく上手く行かず、宿代にも事欠く窮状だったが、ひょんなことからとらやに下宿することに。一方で、常日頃からアメリカぎらいを露悪的に公言していた寅次郎(渥美清)だが、素朴で真っ直ぐな人柄のマイケルと過ごすうちに、いつしか友情が育まれていった。結局日本での商売は何一つ上手く行かず失意と自信喪失のうち母の待つアメリカに帰国することになったマイケルとの別れ際に寅次郎が贈った言葉。失敗や不運が続いても、くよくよせず気持ちを切り替え前向きに生きて行く寅次郎の生き方を象徴したセリフであり、弱った友人を励ます、温かくも力強いエールです。

何もかもさ。

「青春残酷物語」より

学費滞納で除籍寸前の不良大学生・清(川津祐介)は、同じく不良の女子高生・真琴(桑野みゆき)と運命的に出会う。自分の言う事に素直に従わない年下の真琴を、苛立ちを隠さず、サディスティックに、荒々しく抱いた清。粗暴に抱かれた直後、清に何に対して怒っているのか問うた真琴への、清の返答。刹那の衝動に突き動かされ無軌道に生きる、あらゆる現実や既成概念に牙を剥き、触れるものすべてを傷付けてしまう鋭利なナイフのような清を象徴するセリフ。そこには、青春特有のまだ幼い感情に根差した眩しさと瑞々しさがあふれ出ており、年と経験を重ね常識と分別を得た大人にとっては、懐かしく、羨ましく思えるかもしれない。しかし、若さは往々にして手痛い代償を支払うことになることを、二人は知ることになる…

労働者諸君!田舎のご両親は元気かな。たまには手紙をかけよ。

「男はつらいよ 寅次郎真実一路(第34作)」より

飲み屋で文無しだった寅次郎を救ってくれたことが縁となり意気投合した証券マン富永健吉(米倉斉加年)が、ある日激務と競争に疲弊し突然失踪した。富永夫人・ふじ子(大原麗子)と捜索に出る寅次郎(渥美清)だが、美しく気立ての良いふじ子とのあらぬ将来を妄想してつい気をよくしてしまい、タコ社長営む印刷所の住みこみ工員たちにかけた言葉。あながち軽い発言ではなく、この作品に通底する過剰労働への警鐘に通底する社会への提言、すなわち、仕事ばかりにかまけるのではなく、しっかり休んで、わが身や家族を顧みようというメッセージとも言える。

無くなウミガメ 明日があんで
明日できることは今日せんでもいいけどな
ボチボチ行け

「岸和田少年愚連隊」より

1975年、大阪・岸和田。中学生のチュンバ(矢部浩之)と小鉄(岡村隆史)は、喧嘩に明け暮れる札付きのワルたち。仲間のサイ(宮迫博之)、アキラ(宮川大輔)らと共に、敵対するアンドウ(吉田敬)、ゴリ(原西孝幸)、ゴリの連れ(藤本敏史)、ゴリの兄(山本太郎)らと、殴る蹴るのみならず、バット、鉄パイプ、石、鉄板など武器は何でもアリの熾烈な抗争を繰り広げていました。
そんなヤクザ顔負けの日々の中、ある夜、瀕死の重傷を負い、ほうほうのていで帰宅したチュンバに、TV番組「野生の王国」のウミガメが泣きながら命がけで産卵する姿を見ながら、オトン(石倉三郎)がかけた言葉。
こてんぱんにやられる時もある。そんな夜はじっと耐えて体を休め、ケガを癒し、気持ちを切り替えて、明日(以降で)やり返せ!
そんな父の激励がこめられたセリフです。やられたらやり返すということ自体の是非はともかく、思うように上手くいかない時も、納得いかない時も、へこたれずに強くたくましく育って欲しい親心がにじみ出ております。そのようにして、昭和の岸和田の少年たちは、大人たちから時に厳しく時に温かく怒られ助けられ、愛され笑われ、タフでハードな日々を過ごし、大人になっていくのでした。
それにしても…井筒和幸監督による、セピア色のノスタルジーと血沸き肉躍る生々しいバイオレンスアクションがあふれる青春グラフィティーの本作、本稿冒頭でも何名か列挙しましたが綺羅星のごとき超豪華キャストです。

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