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松竹映画に出てくる「いいセリフ」をご紹介します。

幸せは希望の向こう側にある。

「大怪獣のあとしまつ」より

人類を未曽有の恐怖に陥れた大怪獣が、ある日突然、死にました。国民は歓喜に沸き、政府は怪獣の死体に「希望」と名付け、国全体が安堵に浸ったのです。しかし、安堵も束の間、この巨大怪獣の死体が腐敗による体温上昇で徐々に膨張が進み、ガス爆発の危機が迫っていることが発覚します。大怪獣の死体が爆発し、漏れ出したガスによって周囲が汚染される事態になれば国民は混乱し、国家崩壊にもつながりかねません。そこで、絶望的な時間との闘いの中、国民の運命を懸けて死体処理という極秘ミッションを任されたのは首相直轄組織・特務隊の隊員である帯刀アラタ(山田涼介)でした。このセリフは、ほとんどインポッシブルなミッションに挑むアラタの、諦めない気持ちの力強い表明です。また、先般大怪獣が「希望」ネーミングされた事にも引っかけた、ウィットとユーモアの効いたナイス発言とも言えるでしょう。いかなる無理難題を前にし、どんなに過酷な難局にあっても、このような強い気持ちと余裕を持っていたいものです。

その他のちょっと良いセリフ

まぁ あれだな
つらいこともあるんだろうけど 辛抱してやれや
一所懸命辛抱してやってりゃ いいことあるよ

何か困ったことあったら いつでも来いや

「幸福の黄色いハンカチ」より

失恋した花田欣也(武田鉄矢)は会社を辞めた退職金で新車を買い、心の痛手を癒すために北海道へ旅に出ました。道東で訳アリっぽい小川朱美(桃井かおり)という女性と出会った鉄也は、網走刑務所から出所したばかりの島勇作(高倉健)とも知り合い、三人で旅を進めます。
勇作は夕張の炭鉱で働き結婚していましたが、流産をきっかけに妻・光枝(倍賞千恵子)が前夫との間でも流産していた事が発覚、秘密を嫌った勇作は光枝と諍いを起こし、やけになって出かけた夜の歓楽街でチンピラたちに絡まれ、そのうちの一人を殺してしまったのでした。
粛々と受刑の日々が進むなか、まだ若い光枝の将来の再婚と出産のためによかれと獄中で離婚を強行していた勇作ですが、刑期を終える直前に光枝に手紙を送りました。そして、その手紙に勇作が込めたメッセージの結末を確かめに、三人はいちかばちか勇作の妻のもとへ、はるばる夕張へと向かうことに。
道中、ひょんなことから勇作が車を運転することになりますが、そこで運悪く検問に引っ掛かり、服役中に免許が失効している勇作の無免許運転が発覚してしまいます。しかし、勇作が逃げようとも隠そうともせず正直に自白したこと、そして運よく奇遇にも所轄警察署の交通係長・渡辺(渥美清)が、かつて勇作が夕張で殺人事件を犯した時の担当警察官だったことで、無免許運転が軽微な処分で済まされたのです。
このセリフは、そんな勇作との久しぶりの再会を喜んだ渡辺係長の、多くを語らない勇作の性格と、服役中の模範的な囚人生活を推察し、さらには出所後の心境をも慮っての言葉です。まるで同じ渥美清演じる『男はつらいよ』シリーズの寅次郎度々口にしているようなセリフで、ある意味本作ならではの独自性はありませんが、名優・渥美清の、噛んで含めるような口調と表情、行間から溢れる滋味深い人間味も相俟って、じんわりとしっかりと、確実に心に沁みるのです。

ゆっくり知っていけばいいさ。夫婦なんだから

「PとJK」より

運命のイタズラで恋に落ちた、真面目な警察官の功太(亀梨和也)と女子高生のカコ(土屋太鳳)。結婚から始まる恋だからこそ、知らなかった彼の抱える心の傷を聞いて戸惑うカコに、功太の同僚がかけた言葉。困難を乗り越えながらもお互いを理解しあい成長していくピュアでハッピーな感動ラブストーリーです。

おじさんは鈍くさいけど、世間体を気にしないしお世辞を言ったりしない。

「男はつらいよ 柴又より愛をこめて(第36作)」より

博(前田吟)、さくら(倍賞千恵子)、満男(吉岡秀隆)、諏訪家親子水入らず何気ない会話の中での、満男による寅次郎(渥美清)の人物評とも言えるセリフです。サラリーマンなど一般的な日本の社会人に必要とされる作法やしきたり、決まり事、そしてどうしようもなく生じる虚栄心のようなものが、まだ少年である満男の眼には、とても窮屈で不毛に思えており、そこから完全に自由かつ無縁に生きる寅次郎に対し、ある種の憧れを抱き始めていました。母のさくらが、寅次郎を尊敬しているのかと問うと、そこまでではないとはぐらかす満男ですが、このあと彼が煩悶しながらも少年から青年へと成長してゆく過程で、寅次郎という存在や生き方に度々助けられ、励まされ、一つの大きな指標となって行くのです。

“真実”と言うと聞こえがよすぎるかもしれませんが、
我々が求めているのは、それです。

10のうちひとつぐらいは真実かもしれません。
それを探し当てるのは、結構面白い作業ですよ。

「クリーピー 偽りの隣人」より

元警視庁捜査一課の刑事で庁内随一の犯罪心理学のエキスパートである高倉(西島秀俊)は、ある事件で自らの知識や経験を過信したがゆえに起こしてしまった失態により退職、大学で教鞭を執っていた。
しかし、元刑事の性(さが)が再び頭をもたげた高倉は、後輩の刑事・野上(東出昌大)に乞われ、未解決一家失踪事件の謎を究明すべく、事件唯一の生き残りである長女・早紀(川口春奈)の記憶をたどり事件の核心に迫ろうとしていた。
そのさなか、記憶が曖昧でかたくなに心を閉ざす早紀に対し、高倉が協力の懇願として口にしたセリフ。

言わば職業的な紋切り型と言ってもいい口説き文句ですが、“真実”の一義的な価値をシンプルに言い表しています。
ただし世の中で“真実”は、取り扱い要注意でもあります。むやみやたらと追い求めたり扱ったりすべきではないとすら言えるほどに、悪しき作用を及ぼすことも大いにあり得ます。
そして、時としてとんでもなく恐ろしい闇が潜む場合があり、まさに高倉たちはその闇に飲み込まれ、翻弄されて行くのです…

諦めずに愛してやれば、必ず直ります。一番大事なのは絶対に直るって信じることです。

「8年越しの花嫁 奇跡の実話」より

"尚志(佐藤健)が、かつて社長(北村一輝)に言った言葉を、社長が今の尚志へのエールとして贈る言葉。
病気と車の修理を一緒にしてはいけないという前置きをしながらも、ひたむきな愛がきっと奇跡をもたらすはずだと背中を押す言葉であると同時に、尚志という人間の優しくて真っすぐな性格を感じさせる素敵な言葉です。"

生き延びるため、時には長きものにも巻がれなければならぬ!

「超高速!参勤交代」より

たった4日で参勤交代!?お上に無理難題をおしつけられた弱小貧乏藩。「あ~こういう時ある!」と思わず共感してしまう名セリフ。
ここであきらめないのが湯長藩の底力。金なし!人なし!時間なし!藩と領民を守るため、知恵をしぼって逆境に立ち向かう奇想天外な作戦の数々は一見の価値あり。

責任や。『普通』っていうのは、そういうもんやろ?

「ザ・ファブル 殺さない殺し屋」より

「普通」に生きることを命じられた、伝説の殺し屋ファブル(岡田准一)。かつて救えなかった少女を救うことを、ヨウコ(木村文乃)に止められたときに出たセリフ。

ママも大変ですね

「黒革の手帖」より

銀行員の原口元子(山本陽子)は、勤め先の銀行に複数もの架空名義の裏金口座の存在を突き止め、それをネタに上層部から口止め料として大金をせしめた後に退職、銀座でホステスの修行を経て自分のクラブ「カルネ」をオープン、オーナーママとなっていた。やがて、架空名義預金者の一人・楢林(三國連太郎)をカルネの客にし、色仕掛けで篭絡、架空名義預金をネタに脅して再び大金をせしめることに成功する。

ところが、ある日、かつて元子がカルネで雇っていた若手のホステスで、独立して自分の店を持つためにカルネを辞めていった波子(萬田久子)が乗り込んで来た。波子は楢林の愛人で、贅沢三昧の放蕩生活を送るばかりか、楢林の架空名義預金を投じた資金援助により、カルネと同じビルの上層階に全てにおいてカルネの上をゆく自分の店を持つ算段だったのだが、元子に大金をせしめられた楢林は余裕が無くなり、波子への援助を打ち切ったのだった。

パトロンを元子に奪われたかたちの波子は怒髪天を衝く勢いで元子を口汚く罵った挙句に掴みかかる。一方の元子も黙っておらず、暴力には暴力で応戦、銀座の女同士の喧嘩は泥仕合の様相を呈する。なんとか周りの制止で収まった騒動だが、間の悪いことに、その一部始終を、元子がほのかな想いを寄せる相手である、出馬を前にした政治家の卵でカルネの新しい常連客になりつつあった安島富夫(田村正和)が見ていた。

このセリフは、女同士の喧嘩が終わったばかりの、傷つき乱れた元子に安島がかけた言葉。他人行儀で表面的な社交辞令に過ぎない、軽く薄っぺらい言葉だが、それはこの場にあって多くの言葉を費やすのは元子にとっても気まずいだろうとの配慮があってのこと(→筆者の勝手な憶測)、この数日後、落ち着きをみせた元子に対して余りにも正論すぎてぐうの音も出ないような、それでいて元子を優しく包み込むフォローの言葉があった。まさに、男も惚れるモテ男。それは、どんな言葉だったのか、本編で確かめるべし。

ったく。仕事から帰ってきたら風呂も沸いてない。

「GONIN」より

久しぶりに帰った自宅で、風呂に入ろうとし浴室を覗いた時に萩原昌平(竹中直人)がつぶやいた独り言。

この発言は、独り言だからまだよかったものの、その下地・背景にあると思われる、夫(父)は外で仕事をし金を稼ぎ、妻(母)は家を守り子を育て、夫の疲れを癒すべく甲斐甲斐しく世話をする、なんて思想は論外でしょう。
もっとも、夫婦によってはそれぞれの役割を当人納得の上で分担している場合もあるので、他人の夫婦(家庭)のありように第三者が軽々しく口を出すべきではありませんが…。

ちなみに、夫であり父である萩原昌平は、上記の発言(だけ)によれば、おそらく一般的には、一生懸命に仕事をし金を稼ぎ一家を養っているという自負心の塊のように思われますが、実際は仕事をしていない、リストラされたサラリーマンです。そのことを家族に言い出せずに、出張続きで仕事が忙しいと嘘をつき、家に帰らず毎日外で暇をつぶす日々を過ごしています。
この発言は、その鬱屈に起因する悪辣な暴言なのかもしれません。あるいは、自分が仕事をしているという嘘にリアリティを持たせるための演出なのかもしれません。

そして、その一方で、実は彼の家族は・・・

君が必要か必要でないかは社長である私が決めることなんだ。君がどんなにダメな社員であったとしても、ひょっとして必要な場合があるかもしれないでしょう。

「釣りバカ日誌7(第8作)」より

自分は会社にとって必要ではないから辞職したいと申し出たハマちゃんに、社長のスーさんが放ったセリフ。経営者はこんな視点が必要ですね。

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