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古都

公開年月日
1963年1月13日
キャスト
岩下志麻
吉田輝雄
早川保
長門裕之
千之赫子
環三千世
中村芳子
浪花千栄子
宮口精二
東野英治郎
田中春男
柳永二郎
スタッフ
原作:川端康成
脚色:権藤利英
監督:中村登
撮影:成島東一郎
照明:佐野武治
美術:大角純一
音楽:武満徹
区分
邦画
ジャンル
ラブストーリー
文芸作品
本編尺
105分
カラー
カラー
製作国
日本
製作年
1963年

Introduction(作品紹介/概要)

中村登監督が川端康成の同名小説を忠実に映画化した文芸ロマンス。岩下志麻が二人の姉妹の二役を好演。川端康成の京都の行事などを記録としても残したいとの要望に沿って、実際の行事のなかでのロケが多い。米アカデミー賞の外国語映画賞ノミネート作品でもある。

Story(あらすじ)

京呉服問屋の一人娘として何不自由なく育てられた千重子(岩下)は、中学生の時、両親から「お前は私たちの本当の親ではない」と知らされる。だが、育ての親との仲は変わらずに睦まじかった。千重子は清滝川の上流にある村が好きでよく訪れたが、ある日、そこで北山杉を磨いている自分とそっくりの苗子(岩下)を見つけた。祗園祭の宵宮で再会した二人は双子の姉妹だと知る。西陣の織元の息子(長門)から求婚された苗子はことわってしまう。それは…。

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「古都」のちょっといいセリフ

自分の感情というものが、無いの?

セリフを選んだ理由
京呉服問屋の一人娘として何不自由なく育てられた千重子(岩下志麻)は、両親から自分が本当の娘ではない(両親が自分の本当の親ではない)事を知らされていました。しかし、育ての親との仲は、千重子がその事実を知ったとて、変わらずに睦まじいものでした。それぐらいに親子の絆は太く強く、なにより、育ての両親は本当の子供ではない千重子を何不自由なく育てていたのでした。
その一方で、大学に進みたいという千重子の希望を、それなら家の商売を実地で身に着けるべしと却下。結婚についても、商家の独り娘なればこそ嫁に出すことはできない、と言います。そして、自分の人生の大きな選択に、ことごとく介入どころか初めから決めてしまっている親に対して、異を唱えずに従う千重子。それは、本当の子供ではないのに何不自由なく育ててくれた恩を感じているからなのでしょうか?それとも何かべつの理由があるのでしょうか?
このセリフは、そんな千重子を不思議がったのか、あるいは不憫に思ったのか、気の置けない友人でもあるボーイフレンドから発せられた、素朴な疑問でした。そして、どうやら千重子は、ただ単に恩人であるからと言って両親に穏健なる服従を誓っているだけではなく、そこにはやや複雑な思慮と心情が、一種の「ミステリアスな謎」としてありそうなのです。
名匠・田中登監督による、川端康成の原作小説を映画化し、米アカデミー賞外国語映画賞にノミネートされたこの名作では、日本が世界に誇る古都・京都の歴史ある風光明媚な名所の数々を舞台に、その美しい四季折々を背景に、生き別れになった二人の姉妹の運命と心の機微を繊細に描きつつ、その「ミステリアスな謎」が紐解かれます。
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