松竹の2000本以上の映画作品から、オススメ映画をご案内

文字サイズ

松竹映画に出てくる「いいセリフ」をご紹介します。

事件はきわめて難しい状況に直面し、連日の皆さんのご苦労にもかかわらず、遅々として捗りません。

「砂の器」より

殺人事件の被害者の身許が不明、殺される直前に誰かと会っていたことが判明したが、その人物も不明。そのふたりの会話のなかで交わされていた謎の言葉も、それが何を指すのか全くもって不明。
あらゆることが謎のまま捜査は難航どころか迷宮入りがちらつくほど暗礁に乗り上げていました。そんな八方塞がりの状況下、真夏のうだるような暑さのなか開かれた捜査会議で、とあるベテラン刑事が発した苦渋の言葉。
それは捜査陣にとっての目の前の現実を過不足なく客観的に表した発言であると同時に、この事件がいかに難解であるか、解決までの道のりが果てしなく遠く険しいことを想起させます。
しかし、知恵と気力体力を振り絞った不撓不屈の捜査の果てに、物語は衝撃と戦慄の真実へと至り、その核心は、人間の業と宿命の深淵へと導かれるのです。

その他のちょっと良いセリフ

おじさんは鈍くさいけど、世間体を気にしないしお世辞を言ったりしない。

「男はつらいよ 柴又より愛をこめて(第36作)」より

博(前田吟)、さくら(倍賞千恵子)、満男(吉岡秀隆)、諏訪家親子水入らず何気ない会話の中での、満男による寅次郎(渥美清)の人物評とも言えるセリフです。サラリーマンなど一般的な日本の社会人に必要とされる作法やしきたり、決まり事、そしてどうしようもなく生じる虚栄心のようなものが、まだ少年である満男の眼には、とても窮屈で不毛に思えており、そこから完全に自由かつ無縁に生きる寅次郎に対し、ある種の憧れを抱き始めていました。母のさくらが、寅次郎を尊敬しているのかと問うと、そこまでではないとはぐらかす満男ですが、このあと彼が煩悶しながらも少年から青年へと成長してゆく過程で、寅次郎という存在や生き方に度々助けられ、励まされ、一つの大きな指標となって行くのです。

どんな死にも必ず意味があります。

「オクス駅お化け」より

頭も心も身体も日々それなりに忙しく生きる中、人は、自分の人生とは関係のない、無縁な人物、すなわち他人の死を、ややもすれば単なるいち事象としてドライに受け取ってしまうきらいがあります。
しかし、どんな人でも人生(歴史)があり、家族や友人・知人、愛する人・愛してくれる人がいて、死そのものは不運による場合も多々ありますが、自ら死を選んだ人には必ずそうするに至った理由があるのです。
他人の死に際し、いちいちその背景に思いを馳せる必要は無いとは思いますが、少なくともその人が生きていたという事には、ささやまな敬意を持ちたいものです。

ハンカチ渡してもいいですか?

「遙かなる山の呼び声」より

北海道・中標津の酪農地帯で、亡き夫が遺した農場を女手一つで営む未亡人・風見民子(倍賞千恵子)とそのまだ幼い一人息子・武志(吉岡秀隆)のもとで住み込み作業員として働く、素性を明かさぬ謎の男・田島耕作(高倉健)。
寝食だけ提供してもらえれば無給でもいいから働かせて欲しいという田島を渋々と雇い入れ、しばらくは警戒心を隠さなかった民子でしたが、息子の武志が田島に懐き、また田島も武志を可愛がっていることや、民子に一方的な思いを寄せる虻田(ハナ肇)が民子に乱暴しかけた際に田島が颯爽と勇躍し虻田を撃退したこと、その復讐にと虻田がゴロツキ三兄弟でやって来たのを軽く返り討ちにし、終いには逆に三兄弟に慕われるようになった田島に心を開き、その朴訥としながらも実直で温かみのある魅力に惹かれるようになっていました。
しかし、身辺に警察の捜査が迫ってきていたことを悟った田島は、民子たちのもとを去る決意をします。2年前、田島は借金苦で自殺した妻を葬式で罵った金融業者を殴り殺し、警察から逃げていたのでした。それを聞いた民子はショックを受けますが、すでに惚れていた田島に居て欲しいとすがりつきます。ですが、その甲斐なく、ついに警察に逮捕された田島は、立ちつくす民子と泣きながら追いかける武志の元から去って行くのです。
このセリフは、ラストシーン、刑が確定し列車で網走刑務所へ護送されている田島を駅で発見した民子が、田島の護送車両に乗り込み隣の席に座り、涙ながらにいつまでも出所を待つと伝えた際に、護送刑務官に言った言葉です。ハンカチの色は、黄色。『幸福の黄色いハンカチ』と同様に映画史に燦然と輝くこの圧巻のラストシーンで、自分(民子)の涙、田島の涙、刑務官の涙、そしてこの映画を観ている我々の涙をもまとめて拭いてくれるような、まるでそんな巨大な黄色いハンカチが存在するような錯覚さえ覚える、圧倒的な映画の力が漲る場面とセリフです。

幽霊よりも、人間のほうが恐いってことです。

「さんかく窓の外側は夜」より

幼い頃から幽霊が見える特異体質に悩まされている書店員・三角康介(志尊順)は、除霊師・冷川理人(岡田将生)と出会い、共に除霊作業の仕事をすることになった。ある日、ふたりは刑事・半澤(滝藤賢一)から、未解決殺人事件の捜査協力を持ちかけられる。それは、想像を絶する、常軌を逸した、怨念渦巻く阿鼻叫喚地獄の始まりだった。真相に迫ってゆくなか、康介が恐怖、そして諦念めいた感情とともに呟いたセリフ。それは、悪意や殺意といった確実な強い意思を持ち狂気を宿すのは、幽霊でも何でもなく、自分たち人間だという恐怖。いちばん恐いのは人間。あらゆる事象に通じる真理なのかもしれません。

そのうち良いことあるから、な

「男はつらいよ 寅次郎春の夢(第24作)」より

新市場開拓にアメリカから日本にやってきたビタミン剤のセールスマン、マイケル・ジョーダン(ハーブ・エデルマン)は、日本での飛び込み営業がことごとく上手く行かず、宿代にも事欠く窮状だったが、ひょんなことからとらやに下宿することに。一方で、常日頃からアメリカぎらいを露悪的に公言していた寅次郎(渥美清)だが、素朴で真っ直ぐな人柄のマイケルと過ごすうちに、いつしか友情が育まれていった。結局日本での商売は何一つ上手く行かず失意と自信喪失のうち母の待つアメリカに帰国することになったマイケルとの別れ際に寅次郎が贈った言葉。失敗や不運が続いても、くよくよせず気持ちを切り替え前向きに生きて行く寅次郎の生き方を象徴したセリフであり、弱った友人を励ます、温かくも力強いエールです。

今、幸せかい?

「男はつらいよ 寅次郎恋やつれ(第13作)」より

陶芸家と幸せな結婚をしたはずの歌子(吉永小百合)は夫に先立たれ姑の元で肩身の狭い思いをして暮らしていた。「もし何かあったら、葛飾柴又のとらやを訪ねてきな。悪いようにはしないから」と声をかける寅さん。本当はそばで助けてあげたい気持ちを抑えた、短いけれど優しさあふれるセリフです。

諦めずに愛してやれば、必ず直ります。一番大事なのは絶対に直るって信じることです。

「8年越しの花嫁 奇跡の実話」より

"尚志(佐藤健)が、かつて社長(北村一輝)に言った言葉を、社長が今の尚志へのエールとして贈る言葉。
病気と車の修理を一緒にしてはいけないという前置きをしながらも、ひたむきな愛がきっと奇跡をもたらすはずだと背中を押す言葉であると同時に、尚志という人間の優しくて真っすぐな性格を感じさせる素敵な言葉です。"

命というものがたった一つでないのなら…我々はなんのために必死になって生きているのですか

「CASSHERN」より

終始描かれるおぞましい光景の中で、切実に命の尊さを訴えかける場面。重みと気迫に圧倒される…!

お前もいずれ、恋をするんだなぁ。あぁ、可哀想に。

「男はつらいよ 寅次郎あじさいの恋(第29作)」より

丹後から帰ってきた寅次郎は、珍しく憔悴し寝込んでいた。というのも、旅先で出会った、美しい未亡人かがり(いしだあゆみ)に恋し惚れ込んでしまっていたからだ。なおかつ、なんと今回はかがりの側も寅次郎に思いを寄せていた…。そんな稀にみる事態に憔悴し寝込んでいた寅次郎が、気づいたら少年に育っていた妹さくら(倍賞千恵子)の息子・満男(吉岡秀隆)に向けた言葉。一方的なものばかりとはいえ、恋というものに内在する悲喜交々の、特に悲しみ、すなわち失恋を何度も味わってきた寅次郎だからこその、これから青年となる満男の将来をを案じたつぶやき。

「私を殺してでも行きたい?」「行きたい」「じゃいいわ。殺してちょうだい」

「釣りバカ日誌イレブン(第13作)」より

会社を休んで釣りに行きたいが、有休を使い果たし、身内の不幸の口実もすべて使い切ってしまったハマちゃん。残るはみち子さんくらいしかいなくなってしまった…と悩むハマちゃんに、みち子さんがかけた言葉。みち子さんの懐の深さが伝わってきます。

TOPへ戻る