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感動必至!邦画(日本映画)の泣ける松竹作品15選

2024.01.19

泣ける邦画 感動

はじめに

戦争に物価高、政界疑獄等々、何かと暗いニュースが耳に入ってきて、胸の中がささくれ立っているように感じる今日この頃。心の洗濯が必要と思ったら、邦画の感動作に触れてみてはいかがでしょう?

どんなにヒドい世の中でも、人と人はつながることができるし、そこには温かいものが流れています。そんな人間味あふれる松竹映画を厳選。心の栄養になる名作を、探してみましょう!

松竹ではおうちで楽しめるDVDを販売しています。公式サイトからぜひチェックしてみてください。

 

泣ける映画を見ると、ストレス解消になる!?

映画を見て泣くのは恥ずかしい……そんなふうに感じる方も多いのではないでしょうか。しかし、泣くことは決して悪いことではありません。

嬉しいときや悲しいときに高揚を落ち着かせようとする、体の自然な反応が泣くという行為なのです。涙の効用はさまざまで、ストレスの解消やリラックス効果にも良いと言われています。

泣けるだけ泣いたら不思議にスッキリして、よく眠れた……という体験をしたことがある方もいますが、まさにその状態と言えるでしょう。映画を見て泣くのも、心のデトックスには有効なのです。

泣いて、笑って、恐怖して…。ジャンル別にまとめた松竹おすすめ映画はこちらから確認できます。気になる方はぜひご覧ください。

▼ジャンル別記事を確認する

松竹担当者が選ぶ感動必至の邦画(日本映画)ランキング15選

130年近い歴史を誇る松竹映画は、これまで多くの感動作を生み出してきました。小津安二郎や木下惠介、山田洋次といった名だたる監督たちが、人間の本質に迫る美しいドラマを演出。

その精神は現在も受け継がれ、新たな名作が次々と誕生しています。そんな中から、忘れることのできない15本を紹介します。

1. 母べえ(2008年)

野上照代のノンフィクションを名匠・山田洋次が映画化した戦時下の家族ドラマ。昭和15年の冬、仲睦まじく暮らす野上家を悲劇が襲う。政府批判をした罪で“父べえ”こと、父が逮捕されたのだ。

残された“母べえ”は娘たちふたりとともに、厳しい時代を生きねばならなかった……。庶民生活が戦争に覆われたなかでも、母べえは前を向いて子どもたちを育て、友人や知人の善意に支えられ、また支えながら生きていく。

そんな人間味の温かさの一方で、身を切るほど切ない出来事も起こり、戦争の非情さを浮き彫りに。離別と死別、それでも続く人生。混沌を生き抜いた家族の姿が伝えるものは、あまりに大きい。

作品情報

公開(年):2008年

ジャンル :人間ドラマ

監督   :山田洋次

キャスト :吉永小百合、浅野忠信、檀れい、十代目坂東三津五郎、笑福亭鶴瓶

上映時間 :133分

2. 異人たちとの夏(1988年)

異人たちとの夏

山田太一の小説を映画化したファンタジー。離婚したシナリオライターの男が、幼い頃に暮らしていた浅草で、12歳のときに死別したはずの両親と遭遇。あの頃と変わらぬ姿の両親は、彼の心を幸福感で満たしていく。

一方で、男は同じマンションに住む女性と恋に落ちるのだが……。“異人(=幽霊)”と遭遇した主人公の数奇な体験を、『時をかける少女』などで知られる名匠、大林宣彦が切なく描写。

もう一度会いたかった両親との再会と別れの物語は、仕事一徹で無感情に生きてきた男の心に、確実に何かを残す。浅草のすき焼き屋で両親と最後に対峙する場面は屈指の名シーン。

作品情報

公開(年):1988年

ジャンル :人間ドラマ、ファンタジー 

監督   :大林宣彦

キャスト :風間杜夫、秋吉久美子、片岡鶴太郎、名取裕子

上映時間 :108分

邦画は隠れた名作揃い!松竹おすすめの隠れた名作映画についてはこちらの記事で詳しく紹介しています。気になる方はこちらの記事もあわせて見てみてくださいね。

▼隠れた名作邦画(日本映画)はこれ!見逃し注意の松竹作品16選

3. おとうと(2010年)

市川崑監督の手で映画化されたことでも知られる幸田文の同名小説を、『男はつらいよ』の山田洋次が現代性を取り入れて映画化。

小さな薬局を経営しながら、娘を育て上げた吟子のもとに、トラブルメーカーの弟、鉄郎が10年ぶりに姿を現わした。酒癖の悪い鉄郎は案の定、吟子の娘の結婚式をメチャクチャにしてしまう。それでも吟子はこれまでと同様に弟をかばい続けるが、そんな彼女の我慢の限界を超える出来事が起こり……。

吟子役の吉永小百合と、鉄郎を演じる笑福亭鶴瓶の息の合った共演が光る。姉と弟の絆の逸話が研ぎ澄まされていくホスピスでのクライマックスは、感情を揺さぶられずにはおかない。

作品情報

公開(年):2010年

ジャンル :人間ドラマ

監督   :山田洋次

キャスト :吉永小百合、笑福亭鶴瓶、蒼井優、加瀬亮

上映時間 :126分

4. 河童のクゥと夏休み(2007年)

河童のクゥと夏休み

河童という妖怪を、もしも本当に目の当たりにしたら、人はどんな反応をするか?ファンタジーアニメーションの体裁をとりつつ、本作はそんな疑問に答えていく。

小学生の康一が偶然見つけた化石から、甦らせてしまった河童の子ども。家族ぐるみでペットのように世話をするも、やがてその存在がメディアに知られ、康一と家族は騒ぎに巻き込まれてしまう……。

世間の好奇にさらされながら、河童のクゥを守るために奮闘する一家。その絆は、『E.T.』のような深い感動を呼び起こす。アニメーションというと子ども向けと思われるかもしれないが、そんな方にこそ、ぜひ観てほしい。

作品情報

公開(年):2007年

ジャンル :アニメーション

監督   :原恵一

キャスト :田中直樹、西田尚美、なぎら健壱、ゴリ

上映時間 :138分

5. 子ぎつねヘレン(2006年)

子ぎつねヘレン

竹田津実のベストセラー「子ぎつねヘレンがのこしたもの」を映画化。母の再婚相手のもとにひと足先に送られ、慣れない土地で孤独を募らせる8歳の太一。一匹の子ぎつねと出会った彼は、少しずつ絆を育んでいく。

やがて獣医である新しい父は、このきつねの目と耳が不自由であることに気づく。野生で生きていくには、あまりに過酷なハンデ。太一はヘレンと名付けたこのきつねのために、何をするべきかを考え……。

子どもと動物の友情の深まりはもちろん、そこに育ての“親”としての愛も重なり、ドラマの味わいはひとしお。動物愛護について考えさせる点にも深みがあり、強く印象に残る。

作品情報

公開(年):2006年

ジャンル :人間ドラマ

監督   :河野圭太

キャスト :大沢たかお、松雪泰子、深澤嵐、小林涼子、吉田日出子

上映時間 :108分

6. タイヨウのうた(2006年)

タイヨウのうた

香港映画『つきせぬ想い』をベースにして、難病の少女の純愛を描いた青春恋愛ドラマ。太陽の光に当たれないXP(色素性乾皮症)を患う16歳の薫は、夜になると公園でギターを弾きながら自作の歌を歌っている。

彼女には、暗いうちにサーフボードを抱えて出かける少年を窓から眺める、ひそかな楽しみがあった。その少年、孝治と少しずつ心を通わせていく薫。しかし、彼女に残された時間は長くはなかった……。

孝治はもちろん両親や親友に支えられ、歌をCDにするという夢を追うヒロインの姿に、生の輝きが。主演を務めたシンガーソングライター、YUIのオリジナル曲「Good-bye days」が情感を盛り立てる。

作品情報

公開(年):2006年

ジャンル :恋愛

監督   :小泉徳宏

キャスト :YUI、塚本高史、麻木久仁子、岸谷五朗

上映時間 :119分

7. 東京物語(1953年)

2023年に生誕120周年を迎えた名匠・小津安二郎の代表作にして、日本が世界に誇る名作。都会でそれぞれの暮らしを送る子どもたちを訪ねて、尾道から上京した老夫婦。

子どもたちは日々忙しく、親をかまう余裕がない。唯一、戦死した次男の嫁だけが親身になって彼らに接してくれた。ほろ苦い旅を経て、老夫婦の胸に去来するものは?

戦後の高度経済成長の中で、変化していく家庭の在り方。時代の変化の中で失われていくものを、哀愁とともに描き出す。老いや死の現実が浮き彫りになる後半も味わい深く、しみじみと泣ける!

作品情報

公開(年):1953年

ジャンル :人間ドラマ

監督   :小津安二郎

キャスト :原節子、笠智衆、東山千栄子、山村聰、香川京子、杉村春子

上映時間 :135分

時代を超える名作『東京物語』。松竹おすすめの名作映画についてはこちらの記事で詳しく紹介しています。気になる方はこちらの記事もあわせて見てみてくださいね。

▼傑作から話題作まで!名作邦画(日本映画)の松竹作品15選

8. 二十四の瞳(1954年)

壺井栄の小説を映画化した名匠・木下惠介の代表作。昭和3年、小豆島の小さな分校に若い女性教師、大石が赴任してきた。12人の小学一年の子どもたちは彼女を慕い、大石先生もまた生徒に惜しみない愛情を注ぐ。

しかし、子どもたちが6年生になる頃、貧困と戦争の影が日本を覆い始める。卒業後は奉公に出る者もいれば、出征する者もいた。一度は教職を退いた大石だったが、そんな彼らのことをつねに気にかけており……。

教師と生徒の約20年にわたる交流を描写。時代の荒波に揉まれ、学友の幾人かは世を去るが、それでも懸命に生き続けた大石先生と教え子たちの絆が胸を打つ。

作品情報

公開(年):1954年

ジャンル :人間ドラマ

監督   :木下惠介

キャスト :高峰秀子、月丘夢路、小林トシ子、井川邦子、田村高廣、笠智衆

上映時間 :156分

9. ハチ公物語(1987年)

ハチ公物語

亡き飼い主の帰りを10年も待ち続けた秋田犬、ハチ公の有名な実話を映像化。大正12年、東京の大学教授、上野は秋田で生まれた子犬を引き取ることに。ハチ公と名付けられた、この犬は上野の愛情を受けて成長していく。

ところが上野がある日突然、脳溢血で倒れ、世を去ってしまった。そんな事情もわからず、ハチ公はこれまでどおり、雨の日も風の日も渋谷駅に向かっては、上野の帰りを待ち続ける……。

ハチ公が“忠犬”と呼ばれるゆえんを、温かいまなざしで描写。飼い主を失い、野良犬同然になってもなお、ひとりの人間を慕い続けたハチ公の姿に涙を禁じ得ない。

作品情報

公開(年):1987年

ジャンル :ドラマ

監督   :神山征二郎

キャスト :仲代達矢、八千草薫、石野真子、柳葉敏郎

上映時間 :107分

『ハチ公物語』が公開された1980年代のおすすめ映画についてはこちらの記事で詳しく紹介しています。気になる方はこちらの記事もあわせて見てみてくださいね。

▼昭和を感じる!1980年代の邦画(日本映画)松竹作品15選

10. 8年越しの花嫁 奇跡の実話(2017年)

岡山県在住の夫婦の実話に発想を得た恋愛ドラマ。結婚式の準備に追われていた幸せな若いカップル、尚志と麻衣を襲う、突然の悲劇。抗NMDA受容体脳炎と呼ばれる難病により、麻衣は昏睡状態に陥ってしまう。

尚志は回復を信じて寄り添い続けた。その甲斐あって数年後、麻衣は奇跡的に意識を取り戻すが、尚志との愛の日々を思い出すことができず……。

意識の戻らない恋人を何年も待ち続け、記憶の戻らない彼女をさらに待ち続ける、そんな強い気持ちが胸を揺さぶらずにはおかない。佐藤健と土屋太鳳が主演を務め、切ない愛のドラマを織りなしていく。

作品情報

公開(年):2017年

ジャンル :恋愛

監督   :瀬々敬久

キャスト :佐藤健、土屋太鳳、杉本哲太、薬師丸ひろ子

上映時間 :119分

11. 母と暮せば(2015年)

新作『こんにちは、母さん』も好評を博した名匠、山田洋次が手がけたファンタジー風味の親子ドラマ。長崎の原爆によって命を落とした次男、浩二が、じつはまだ生きているのではないか……。

そんな思いにとらわれている助産婦、伸子の前に死んだはずの浩二が現われる。浩二は生前に交際していた恋人に未練を残していた。伸子は再会を喜びつつ、恋人を忘れるよう諭すが、その恋人もまた浩二を忘れられずにおり……。

死に引き離されても強く結ばれる母子の情に、戦争の悲劇や、庶民の逞しさが絡んだ物語。悲しい展開ながら、温かさを感じさせるラストシーンは忘れ難い。

作品情報

公開(年):2015年

ジャンル :人間ドラマ

監督   :山田洋次

キャスト :吉永小百合、二宮和也、黒木華、浅野忠信、加藤健一

上映時間 :130分

12. わが母の記(2012年)

作家、井上靖が自身の体験をベースにして綴った自伝的な小説を映画化。認知症が進む老母に複雑な思いを抱えている作家、伊上。

幼少期、両親と離れて暮らしていた彼は、母に対して、自分が捨てられたのではないかという疑念をぬぐえずにいた。

病状が悪化し、夜に徘徊するようになった母の世話をするうちに、伊上は母が伝えることができなかった意外な事実を知ることになる……。

50年の時を経て明かされる、戦時中の母親の思いや苦悩が、見る者の胸を激しく揺さぶってくる。息子と母の葛藤を、役所広司と樹木希林がときにユーモラスに、ときにシリアスに体現している。

作品情報

公開(年):2012年

ジャンル :人間ドラマ

監督   :原田眞人

キャスト :役所広司、樹木希林、宮﨑あおい、南果歩、三國連太郎

上映時間 :118分

13. かがみの孤城(2022年)

2018年に史上最多得票数で本屋大賞を受賞した辻村深月の同名ベストセラーを映画化。学校で居場所をなくし、不登校になった中学生、こころは、ある日自室の鏡の中に吸い込まれ、気づけば謎の城の中にいた。

そこには見ず知らずの6人の中学生がいた。彼らを城に呼び寄せた、狼の仮面を被った少女は、一年以内に城の中に隠されている鍵を見つけ出した者の願いをひとつだけかなえるという。

なぜ、こころと6人は、ここに集められたのか?疑問を抱えながらも、彼らは共に過ごす時間のなかで心を通わせ……。

ある共通点を持っていた7人の友情と葛藤、それぞれの人生に向き合っていく姿が、爽やかな感動を呼び起こす。

作品情報

公開(年):2022年

ジャンル :アニメーション

監督   :原恵一

キャスト :當真あみ、北村匠海、麻生久美子、芦田愛菜、宮﨑あおい

上映時間 :116分

14. ある男(2022年)

日本アカデミー賞をはじめ国内の映画賞を席巻した重厚なサスペンス。再婚して手に入れた幸福を、夫の死で失ってしまった女性。ところが、亡き夫の兄は遺影を見て、“これは弟ではない”と言う。愛した夫は一体誰だったのか。

女性からの依頼を受けて調査に乗り出した弁護士、城戸は故人が別人として生きざるを得なかった真相に近づいていく。スリリングな展開のなかにもドラマを丹念に描き込み、人がそれぞれに抱える事情を浮き彫りに。

素性を隠して生きてきた男の悲しい過去や、それを調査する弁護士の複雑な思いなど、さまざまなエピソードが絡み、哀感が静かに積み重ねられていく。

作品情報

公開(年):2022年

ジャンル :ミステリー、サスペンス

監督   :石川慶

キャスト :妻夫木聡、安藤サクラ、窪田正孝、柄本明

上映時間 :121分

15. 幸福の黄色いハンカチ(1977年)

記念すべき第1回の日本アカデミー賞で作品賞を受賞した、名匠・山田洋次の不朽の名作。北海道で傷心旅行をしていた若い男女が出会って意気投合。

そんな彼らの車での旅に、ワケありの中年男、勇作が加わることになる。服役を終えたばかりの彼は、自分の帰りを待っていてくれるかどうかわからない妻の元に戻るべきか、迷っており……。

若いふたりの珍道中は勇作の出現によって人間味を帯びていき、やがて感動のクライマックスへ。高倉健、倍賞千恵子ら名優たちの演技のアンサンブルが、人を愛し、愛されることのぬくもりを伝えている。

作品情報

公開(年):1977年

ジャンル :人間ドラマ

監督   :山田洋次

キャスト :高倉健、倍賞千恵子、武田鉄矢、桃井かおり

上映時間 :108分

『幸福の黄色いハンカチ』が公開された1970年代のおすすめ映画についてはこちらの記事で詳しく紹介しています。気になる方はこちらの記事もあわせて見てみてくださいね。

▼映画業界が大きく変わった1970年代!当時を代表する松竹作品15選

感動必至の泣ける映画は自宅で楽しもう

邦画の感動作で涙するなら、映画館の暗闇はもちろん有難いでしょう。一方で、今やDVDやブルーレイなどの映像ソフトに加え、動画配信サービスも充実しており、観たいと思ったときにすぐに観られる環境が整っています。自宅でじっくりと向き合い、人目を気にせず、思い切り泣いてみてはいかが?

まとめ

15作品を厳選して紹介しましたが、泣ける邦画はもちろんこれだけではありません。たとえば、笑いの印象が強い『男はつらいよ』シリーズの中にも、ついつい涙してしまう作品は存在します。名作と呼ばれる邦画をどんどん掘ってみて、自分だけの感動作を見つけてもらえれば幸いです。

この記事を書いた人

相馬学

1966年、秋田県生まれ。情報誌の編集を経てフリーライターとなり30年。「SCREEN」「DVD&動画配信でーた」などの雑誌や劇場パンフレットなどの紙媒体、「シネマトゥデイ」「ぴあ映画生活」などのインターネット媒体で取材記事やレビューを執筆。

※おすすめ作品は松竹の担当者が選びました。

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