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昭和100年!懐かしいのに、あたらしい!? いま観るべき昭和の映画10選

2025年。もし、昭和が続いていれば――今年は「昭和100年」。この特別なタイミングに、昭和の多彩な映画を改めて味わってみませんか?並みいる作品群から、今回は10本をセレクト。

情熱と切なさが交錯する『蒲田行進曲』、独特の空気感と狂気にちょっと怖くてハラハラする『丑三つの村』『八つ墓村』、ドキドキしながらも胸が熱くなる『愛と誠』、“成り上がり”から伝説へ、ゼロから頂点へ駆け上がる男のリアルを描いた『矢沢永吉 RUN&RUN』、幻想と現実が交錯する『異人たちとの夏』など…華やかで過激で、時に切ない。そんな昭和の映画たちを楽しんで、もう一度その熱量を感じてみてください!

 

#時代を超える名作  #いま観たい理由がある

 

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特集作品

蒲田行進曲

『新選組』の撮影真っ只中、土方歳三に扮する“銀ちゃん”こと倉岡銀四郎は、敵役の坂本龍馬を演じる橘が、主役の自分より目立っているのが気に入らない。さらに最大の見せ場である“池田屋の階段落ち”が、命の危険を伴うため中止になろうとしていた。役者としての華もあり、人情家でもあるのだが、感情の落差が激しいのが玉に傷。こんな銀ちゃんに憧れているのが大部屋俳優のヤス。ある日、ヤスのアパートに、銀ちゃんが女優の小夏を連れてきた。彼女は銀ちゃんの子供を身ごもっていて、スキャンダルになると困るのでヤスと一緒になり、ヤスの子供として育ててくれというのだ。ヤスはいわれるままにする。そんな中、銀ちゃんが姿を消し、ヤスは献身的に小夏の世話をする。徐々にヤスに愛情を感じる小夏。ようやく戻ってきた銀ちゃんは、仕事も恋も行き詰って落ち込んでいた。ヤスは落胆しきった銀ちゃんを見兼ね、“階段落ち”を引き受けるのだった。

八つ墓村

尋ね人の呼びかけに応え、辰弥は法律事務所を訪れた。そこには亡母の父・丑松が辰弥を生まれ故郷へ迎えに来ていた。しかし、丑松がその場で悶死、辰弥は美也子の案内で葬式に「八つ墓村」へ向かった。そこで辰弥を待っていたは、村の富豪・多治見家の跡取りの座だった。そして、奇怪な連続殺人事件が起こっていく…。

矢沢永吉RUN&RUN

1979年、名古屋球場のコンサートを中心にE ・YAZAWAの全てを見せるドキュメンタリー。初めて映像の被写体になった矢沢永吉。ソロ・デビューし、単身渡米でレコーディング後、続々とビッグ・ステージでコンサートを開催。いきなり、スーパー・スター、矢沢永吉として日本中を席巻した。この映画は、ソロ・デビュー後、マスコミに姿を見せなかった矢沢のビッグ・コンサート、アメリカでのロケ風景、そして自邸でのプライベート・タイムを収録。そのなかで、ファンの仲間との交流、音楽、旅を通し、痛烈な社会批判と生きざまを描きながら、彼のメッセージを克明に捉えていく人間ドラマ。

アイドルを探せ

この春高校を卒業した藤谷知香子(菊池桃子)は、初めての一人旅としてグアムに旅立つ。今一番の知香子の願いは彼氏が欲しいことであった。この旅の途中で彼女は、中学時代に憧れていた氷江(池田政典)、氷江の大学の先輩の岩田(竹本孝之)、バスガイドをしている千明(武田久美子)、谷沢(米山善吉)たちと知り合った。4月から知香子の短大生としての生活が幕を開けた。独り暮らしを始めたアパートには、偶然にも千明が住んでいた。また、隣室で同じ短大のマンガ家志望のちょっと根暗なカンロこと甘露寺恵(伊藤かずえ)とも親しくなる。知香子の身辺は、氷江、岩田、アパートの大家の息子の誠(野々村真)と急に華やかになる。ある日、岩田から知香子は告白された。岩田のことも好きだが、プレイボーイでちょっと危険な氷江に魅かれている彼女は、岩田の想いを受け入れることができなくて…

愛と誠

信州・蓼科高原のスキー場。財閥の娘、早乙女愛は危うく谷に転落する寸前、少年、太賀誠に助けられる。彼の額には傷が残った。9年後、二人は意外な、そして運命的な出会いをする。名門・青葉台高校のアイドルになっていた愛とその仲間が、合宿中暴走族に絡まれるのを救ったのが、地元の不良高校生のリーダー、誠だった。愛は、傷の償いをすべく父の力を借りて、誠を青葉台高校に転入させる。凶暴な誠は、1日目から問題を起こした。さらに誠は不良仲間を支配し、その横暴は日増しにエスカレートしていく…。

黒蜥蜴

世界的宝石商の岩瀬は、娘早苗(松岡きっこ)の誘拐と、時価一億円のダイヤ「エジプトの星」の強奪を予告する女賊黒蜥蜴(丸山明宏)におびえ、探偵明智(木村功)に警護を依頼した。岩瀬父娘は大阪のホテルに姿を隠したが、隣室には岩瀬(宇佐美淳也)の店の顧客・緑川夫人が泊まっていた。実は彼女こそ黒蜥蜴だったのだ。黒蜥蜴は部下の雨宮(川津祐介)を使って早苗をまんまと誘拐したものの、明智は機敏な処置で、早苗を奪い返したのだった。黒蜥蜴もさるもの、明智に追いつめられても慌てず、わずかな隙をみて逃走したのである。それから半月後、的場刑事(西村晃)率いる警察陣に守られた岩瀬邸から、早苗が忽然と姿を消した。黒蜥蜴が家政婦ひな(小林トシ子)の手引で早苗を誘拐したのだ。明智が駆けつけた時は、早苗と引換えに「エジプトの星」を持参せよ、という紙が残っているきりだった。指示通り、岩瀬は「エジプトの星」を黒蜥蜴に渡したが、早苗は戻らなかった。黒蜥蜴は早苗の美しさに魅せられていたのだ。一方、そんな黒蜥蜴にひそかに恋焦がれている雨宮は、黒蜥蜴が明智を恋していることに気づき、嫉妬を感じるのだった。その頃、明智は、一度は黒蜥蜴の手にかかって殺されたと見せかけ、部下の一人に変装して本拠地に忍び込んでいた。彼もまた、純粋な美に生きる黒蜥蜴に恋していた。黒蜥蜴を捕える自信はあったが、世間の秩序の彼方に己の倫理を築きあげている彼女を、よく理解出来たのである。本拠地には、人間剥製の美術館があった。早苗もその一つに加えられようとしていた・・・。

丑三つの村

戦時下の昭和13年、山あいに数十戸が点在する小さな、閉鎖的な村。村一番の秀才とほめそやされて青年は、純粋に国を信じ、兵士として立派に戦うことに、自分の男としての生き方を見ていた。が、結核と診断された彼は、その望みを完全に断たれ、そればかりか村人たちからもツマはじきにされる。自分が生まれ育った村の、汚れきった血、汚れきった人間関係をつくづくと知らされ、ぎりぎりのところまで追いつめられた彼は、銃をとり、たった一人の戦場に出て行くことでしか、自分の生を確認する方法がなかった。
「みなさま方よ、今にみておれでございますよ・・・」ブローニングの改造9連発ショット・ガンと日本刀で武装し、ハチ巻きに2本の懐中電灯をツノのように立てた彼は、ついに大量殺戮の火蓋を切る・・・。

V.マドンナ大戦争

希望ケ丘高校は半年に一度、生徒会運営費300万円を略奪に来る柳生高校番長連合(柳生軍団)に悩まされていた。軟弱で無策の生徒会長、広岡英(中村繁之)は言いたい放題にののしられ、馬鹿にされている。英の妹、里未(斉藤こず恵)の提案で用心棒を雇うことになった。彼女が紹介したのは女性の阿川冴香(宇佐美ゆかり)というモトクロス・ライダーだった。用心棒は冴香を入れて七人で、あとの六人の人選は冴香が行ない、報酬は一人当たり2万円ということで、英と冴香は約束を交わした。残りの6人の人選は、スタント・ウーマンの鹿島淳子(ジャック・村上里佳子)、花火屋の娘で火薬に詳しい箕輪巴(ゴゼン・黒羽まゆみ)、女子プロの覆面ヒール森加奈子(カクダン・ソフィー)、スケバンの寺尾マキ(カミソリマキ・速川麻樹)、情報収集の若原小町(コマチ・渡辺佑子)らが続々と集められた。そして、七人目はパソコン・マニアの里未が選ばれた。冴香は視聴覚教室にパソコンを導入し、里未に監視システムのプロミングを命じた。道場ではジャックとカクダンを運動部の男子生徒の戦闘訓練に当らせた。遂に戦いの時が来た。四天王を先頭にバイク50台、総勢一○○人の柳生軍団が姿を現わし、校庭に乗り込んで来た…

異人たちとの夏

原田英雄は40歳、職業はシナリオ・ライターである。妻子と別れ、今はマンションに一人暮らしをしていた。ある日、原田は幼い頃に住んでいた浅草に出かけ、偶然死んだはずの両親に会う。二人は原田が12歳の時に交通事故で死亡したが、なぜかその時の年齢のまま、浅草に住んでいたのだった。原田は懐かしさのあまり、浅草の両親の家へたびたび通うようになる。一方で、原田は同じマンションに住む桂という女性と、愛し合うようになっていた。桂は英雄を気遣い、もう死んだはずの両親には会うなという。異人(幽霊)に近づくと、それだけ自分の体は衰弱し、死に近づいてしまうのである。原田は桂の言葉で、両親と別れる決心をし、浅草にあるすき焼き屋で親子水いらず別れの宴を開いた。暖かい両親の愛情に接し、原田が涙ながらに別れを告げると、両親の姿は消えていった。しかし、なぜか原田の衰弱は止まらなかった。実は、桂も異人だったのである。

ロケーション

べーやんこと小田部子之助は、ピンク映画のカメラマンで、妻・奈津子もピンク映画の女優である。奈津子の主演映画が始まるという晩、彼女は常習の睡眠薬自殺未遂を起こした。夫婦の20年来の友人でシナリオライターの紺野が駆けつけてきた。紺野に奈津子を任せ、べーやんはロケーション出発地に向った。そこには、原監督、助監督のダボ、セカンドのタケ、照明の米さん、助手のE・T、カメラ助手石やん、スチール兼運転手のケンちゃんらスタッフが待っていた。彼らは俳優に扮したりと何役も兼ねる男達だ。今度の映画の内容は、三人の男にレイプされた女の復讐劇で、奈津子の代役・笛子は裸がいやとごねる。そこへ、紺野が奈津子を連れて来たが、撮影の途中「もうだめ」と下りてしまった。都内の連れ込み宿のシーンに来た。台本訂正があり、両親を溺死させられた娘の復讐劇となる。借りた宿の女中・笑子が消防器具をひっくり返し、粉末をあびた代役ジーナは逃げ出した。笑子を代役に撮影続行。だが、監督がぜん息で入院してしまう。彼はあと3日でアップすること、笑子をヒロインにと言い渡すのだった。

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