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本当に怖いのはどれ?邦画(日本映画)ホラー松竹作品15選

2023.06.23

邦画ホラー

はじめに

むちゃくちゃ怖そう!でも見ないことには収まりがつかない……そんな人間の心理を刺激して、ホラー映画は長年にわたり人気を誇ってきました。幽霊なんて、いるはずがない。いたら怖い。でも、見て確かめたい。そんな怖いモノ見たさを刺激する邦画の傑作群を一挙紹介!

邦画(日本映画)のホラー作品はなぜ怖いのか?

日本のホラーが海外でも高い評価を得ているのは、映画ファンにはご存知の通り。塚本晋也や黒沢清、三池崇史、清水崇ら日本の鬼才たちはこの分野で世界的に名を広めました。『リング』や『呪怨』などの作品がハリウッドでリメイクされたのはあまりに有名。そんな事情もあり、シッチェス映画祭をはじめとするホラーに特化した世界映画祭では、ジャパニーズホラーの新作はつねに注目を集めています。独特の空気を持っている日本のホラーは、欧米のホラーとどう違うのでしょうか?

洋画ホラーの特徴

そもそもハリウッドでホラーが爆発的な人気を博したのは、1930年代以降のモンスター映画から。ドラキュラやミイラ男、フランケンシュタインの怪物といったユニバーサル映画のモンスターが銀幕を闊歩した時代です。この後、心理にスポットを当てたサイコなものや、シリアルキラーが暴れるスラッシャー作品など、ホラーは多様化しますが、主流は目に見えるクリーチャーを扱ったもの。ゾンビや、『13日の金曜日』シリーズのジェイソン、『エルム街の悪夢』シリーズのフレディといったホラーキャラクターも、この流れにあります。視覚的にショックをあたえることに加え、派手な効果音でドキッとさせる演出も特徴です。

邦画(日本映画)ホラーの特徴

洋画が目に見えるおぞましいものを描いてきたとしたら、邦画はむしろ目に見えないものを視覚化してきたとも言えます。たとえば、呪いや怨念、霊などのオカルト的なもの。「四谷怪談」や「番町皿屋敷」といった古くから伝わる怪談には、そんな要素が詰め込まれていたし、それは現代ホラーの定番『リング』にも受け継がれています。題材も身近なものが多く、日常生活をおくる家や部屋が恐怖発生装置となり、押し入れや屋根裏といった見えない部分に何かいるのでは!?と不安を駆り立てます。音の演出に関しても洋画とは対照的で、静けさの中に響く不気味な音――床や戸がきしむ音や水滴の音など――が効果的。あくまでもざっくりとした傾向ですが、洋画は直接的な描写で恐怖を引き起こすのに対して、邦画は観客のイマジネーションを刺激して恐怖を喚起するのが特徴と言えるでしょう。

松竹担当者が選ぶ邦画(日本映画)ホラー15選

1. 事故物件 恐い間取り(2020年)

事故物件 恐い間取り

“事故物件住みます芸人”として活動してきた松原タニシのベストセラーノンフィクションを、『リング』の中田秀夫が映画化。住人が命を絶ったいわくつきの物件を探しては、そこに住み、TV番組でレポートする若手芸人。たちまち人気者となった彼は、より危険な物件に手を出したことで、思わぬ事態に引き込まれる……。平穏な日常を不意にかき乱すような幽霊の描写が衝撃的。得体のしれないラスボスの不気味さも引きずること必至!

作品情報

公開(年):2020年

ジャンル :ホラー

監督   :中田秀夫

キャスト :亀梨和也、奈緒、瀬戸康史、江口のりこ

上映時間 :111分

2. シライサン(2020年)

人気作家、乙一が本名の安達寛高名義で初監督に挑んだオカルト作品。その名を知っただけで命を狙われ、目を逸らすと殺される……友人たちの不審死の謎を追ううちに、そんな怨霊“シライサン”の存在をしってしまった若者たちが呪いから逃れるべく、謎の究明に走る。眼球が破裂する怪死の連続と、目の大きな女性“シライサン”の不気味な姿が恐怖を引き立てる。飯豊まりえら若手俳優陣の体当たりの熱演も緊迫感を盛り立てるに十分。

作品情報

公開(年):2020年

ジャンル :ホラー

監督   :安達寛高(乙一)

キャスト :飯豊まりえ、稲葉友、忍成修吾、谷村美月

上映時間 :99分

3. “それ”がいる森(2022年)

福島で単身、農業を営む父を東京から訪ねて来た小学生の息子が、森の中で怪事件に直面。大人たちは彼の言うことを信じないが、やがて父はこの世の者とは思えない何かに遭遇。そして”それ“は街にパニックを引き起こす……。ホラーの鬼才、中田秀夫が手がけたSF風のスリラー。子どもを襲う”それ"の正体をジワジワと明らかになっていく展開にドキドキ。街を守るために立ち上がった、大人たちの戦いから目が離せない!

作品情報

公開(年):2022年

ジャンル :SF、ホラー

監督   :中田秀夫

キャスト :相葉雅紀、松本穂香、上原剣心、小日向文世

上映時間 :107分

4. 八つ墓村(1977年)

横溝正史のベストセラー小説を映画化した本格派のミステリー。虐殺された落武者たちの呪いが言い伝えられている中国地方の村。自身のルーツをたどり、この地の名家にやって来た青年の前で次々と殺人事件が起こる……。謎解きを主体にしたドラマでありながらも、村で度々起こってきた虐殺や、相次ぐ毒殺の描写は背筋を凍り付かせるに十分。サスペンスとオカルトを巧みに絡めた『砂の器』の名匠、野村芳太郎による演出が光る。

作品情報

公開(年):1977年

ジャンル :ホラー、ミステリー、サスペンス

監督   :野村芳太郎

キャスト :萩原健一、小川真由美、山﨑努、渥美清

上映時間 :151分

5. この子の七つのお祝いに(1982年)

第一回横溝正史賞を受賞した齊藤澪の同名ミステリー小説を映画化。議員秘書宅の若い家政婦が惨殺される事件が発生。その背後には、母や自分を捨てた父に対する、ある女性の復讐が潜んでいた。記者たちは、この事件を追いかけ、やがて予想もしなかった事実に行き当たる……。“父を憎め"と母に言われ続けていた少女の悲劇を皮切りに起こる、衝撃的な事件の連続。日本人形の冷たいイメージショットがスリルを盛り立てる。

作品情報

公開(年):1982年

ジャンル :ホラー、ミステリー

監督   :増村保造

キャスト :岩下志麻、根津甚八、辺見マリ、畑中葉子

上映時間 :111分

6. オトシモノ(2006年)

オトシモノ

駅で落とし物を拾った人々が次々と謎の失踪を遂げる。いなくなった妹を探す女子高校生が、その謎を追ってたどり着く衝撃の事実とは!?呪われた定期券の拾得に単を発する幽霊奇譚を描いたオカルト作品。ホームにたたずむ黒い服を着た女の謎、人を線路に引きずり落す何かの不気味さ、そしてトンネル内の地獄絵図。吸引力の強いショック描写から目が離せない。これが初主演作となった沢尻エリカの熱演にも注目しよう。

作品情報

公開(年):2006年

ジャンル :ホラー

監督   :古澤健

キャスト :沢尻エリカ、若槻千夏、小栗旬、浅田美代子

上映時間 :94分

7. 伝染歌(2007年)

伝染歌

『着信アリ』なども手がけたプロデューサー、秋元康が、1930年代の欧州で流行った“自殺を誘発するヒット曲”に想を得て発案したオカルト。その歌を聴き、歌った者はすべて自殺するという「僕の花」。10年前に発表されたこの“伝染歌”の謎を追い、雑誌記者と女子高校生らが命を懸けて奔走する。行く先々に転がる死体が不穏なムードを高め、霊のような何かの存在が恐怖を盛り立てる。現在の出来事が過去の因縁とつながるストーリーも歯応えあり。

作品情報

公開(年):2007年

ジャンル :ホラー

監督   :原田眞人

キャスト :松田龍平、大島優子、秋元才加、小嶋陽菜、阿部寛

上映時間 :119分

8. こどもつかい(2017年)

『呪怨』シリーズの清水崇監督が子どもの怨念を題材にし、滝沢秀明を映画初主演に迎えて放つ衝撃作。子どもが失踪した3日後に、その親が変死するという怪事件が続発。事件の陰には、虐待を受けていた子どもたちの恨みが。この事件を追う記者は、保育士である恋人にも危害が及びかねないことを知り、真相を追求しようとするが……。白目をむいた子供たちの霊のビジュアルが不気味。彼らを操る怪人物の正体もミステリアスで、否応なしに興味を引かれる。

作品情報

公開(年):2017年

ジャンル :ホラー

監督   :清水崇

キャスト :滝沢秀明、有岡大貴、門脇麦、西田尚美

上映時間 :111分

9. 丑三つの村(1983年)

『八つ墓村』に発想をあたえた、昭和13年の“津山事件”を題材とする西村望の小説を映画化。舞台は中国山地の小村。村いちばんの秀才と言われるも、結核の診断を受けたことから村人に避けられだした青年。村の汚い現実にいらだち、膨らんでいく彼の疎外感は、やがて凄惨な凶行の引き金となる……。2本の懐中電灯を鬼の角のようにはちまきで結わえ、次々と村人を殺していく主人公の姿は衝撃的。女優陣の妖艶な姿も鮮烈な印象を残す。

作品情報

公開(年):1983年

ジャンル :ホラー、サスペンス

監督   :田中登

キャスト :古尾谷雅人、田中美佐子、五月みどり、大場久美子

上映時間 :105分

10. 怪談(2007年)

怪談

著名な怪談落語『真景累ヶ淵(しんけいかさねがふち)』を、「リング」で知られるホラーの鬼才、中田秀夫が映画化。江戸時代、下町で煙草売りをしている新吉は、三味線の師匠で年上の女性、豊志賀と恋に落ちる。じつは彼らは、親の代の怨恨で結ばれていた。そうとも知らず恋にのめり込むも、嫉妬から悲劇が起こり、豊志賀は命を落とす。残された新吉に、さらなる恐ろしい出来事が……。愛憎の激しさと、怪奇現象の連続、それによって狂気に追い込まれていく男の心理。それらが一体となり、息詰まるような緊張を引き起こす。

作品情報

公開(年):2007年

ジャンル :ホラー

監督   :中田秀夫

キャスト :五代目尾上菊之助、黒木瞳、井上真央、麻生久美子、木村多江、瀬戸朝香

上映時間 :119分

11. 吸血鬼ゴケミドロ(1968年)

不可解な事故によって岩山に墜落した旅客機。助けを待つわずかな生存者たちの中には、宇宙生物に肉体を乗っ取られて吸血鬼と化してしまった者が。ひとり、またひとりと、その凶行によって生存者たちは命を落としていく……。クエンティン・タランティーノも大ファンであり、『キル・ビル』でオマージュを捧げたSFホラー。赤く染まった空のビジュアルに加え、顔面に苔が生えたようなグロテスクなクリーチャー描写は鮮烈。

作品情報

公開(年):1968年

ジャンル :SF、ホラー

監督   :佐藤肇

キャスト :吉田輝雄、佐藤友美、高英夫、金子信雄

上映時間 :84分

12. ヒルコ 妖怪ハンター(1991年)

ヒルコ 妖怪ハンター

『鉄男』で海外でも広く知られている塚本晋也監督が、諸星大二郎原作のコミックを映画化。田舎町の中学校で、夏休みに教師と女生徒が姿を消した。その謎を追う妖怪ハンターの男と学生は、無人のはずの校内で、妖怪ヒルコに遭遇する!古墳から甦った魔物が引き起こす恐怖の物語。人面グモをはじめとするグロテスクなクリーチャーや妖怪目線のスピーディな映像など、インパクトのあるビジュアルに塚本監督のセンスが光る。

作品情報

公開(年):1991年

ジャンル :SF、ホラー

監督   :塚本晋也

キャスト :沢田研二、工藤正貴、竹中直人、上野めぐみ

上映時間 :90分

13. 忠臣蔵外伝 四谷怪談(1994年)

忠臣蔵外伝 四谷怪談

歌舞伎の演目から発想を得て、「四谷怪談」と「忠臣蔵」を結び付けた鬼才、深作欣二の意欲作。赤穂藩の取り潰しにより浪人となった武士、伊右衛門はお岩という女性と恋に落ちるが、良家への婿入りが決まり、主君の仇討ちにも消極的になったあげく、非情にもお岩を殺害するが……。伊右衛門の呪われた運命、お岩の亡霊が味方する四十七士の討ち入り時の奇跡など、重厚かつ、恐ろしくもファンタスティックな世界が構築された。

作品情報

公開(年):1994年

ジャンル :時代劇、ホラー

監督   :深作欣二

キャスト :佐藤浩市、高岡早紀、荻野目慶子、津川雅彦

上映時間 :106分

14. マザー(2014年)

ホラー漫画の大家、楳図かずおが監督を務め、自身の分身を主人公にして放った意欲作。楳図の自伝を出版したいという女性編集者。彼女は楳図の母親の秘密を探るうちに、怪奇現象に襲われていく。一方で、楳図の周囲で頻発する親類縁者の変死事件。それは亡き母の仕業なのか!?楳図がかつて漫画で描いた妖怪のような、おぞましい姿に変ぼうする母の幽霊。先の読めない奇抜なストーリー展開に、ハラハラして欲しい。

作品情報

公開(年):2014年

ジャンル :ホラー

監督   :楳図かずお

キャスト :六代目片岡愛之助、舞羽美海、中川翔子、真行寺君枝

上映時間 :121分

15. 吸血髑髏船(1968年)

『吸血鬼ゴケミドロ』の好評を受けて製作された怪奇映画。金塊を狙った5人組に襲撃され、乗組員が皆殺しにされたあげく、沈没した貨物船。3年後、それが海上に姿を現わした。5人組に凌辱された女性の怨念とともに……。霧の中に浮かび上がる幽霊船の不気味さはモノクロの映像の効果もあり、えも言われぬインパクトをあたえる。タイプの異なる二役に挑んだ松岡きっこの、研ぎ澄まされた存在感も忘れ難い。

作品情報

公開(年):1968年

ジャンル :SF、ホラー

監督   :松野宏軌

キャスト :松岡きっこ、入川保則、西村晃、小池朝雄

上映時間 :81分

邦画(日本映画)ホラーは自宅で見るともっと怖い

映画館の暗闇の中で見るホラーは確かに怖いですが、自宅でひとりで観るのもまた怖いもの。背後に何かいるのでは!?そんな想像力をかき立てられ、必要以上にドキドキさせられます。もちろん、家族や仲間とワーキャー言いながら観るのも楽しみの一つ。DVDなどのソフトはもちろん、配信サービスの普及により、これらの作品も身近になりました。自宅で見るからこその恐怖を、ぜひ味わってみてください。

まとめ

ひとくちに邦画ホラーといっても、さまざまな種類があり、年代によってトレンドも変わってきました。特撮やVFX(※1)といった恐怖を引き起こす映像表現術も進化し、ホラーは多様化し続けています。見た目に怖いものもあれば、人間の内面をえぐり出してゾッとさせるものもあります。さらなる広がりを見せるホラーの世界に向けて心の準備をするためにも、まずはこれらの定番作品を押さえておきましょう。

※1:Visual Effectsの略称で、実際には見ることができない画面効果を演出するための視覚効果

この記事を書いた人

相馬学

1966年、秋田県生まれ。情報誌の編集を経てフリーライターとなり30年。「SCREEN」「DVD&動画配信でーた」などの雑誌や劇場パンフレットなどの紙媒体、「シネマトゥデイ」「ぴあ映画生活」「CINEMORE」「Re:minder」などのインターネット媒体で取材記事やレビュー、コラムを執筆。

※おすすめ作品は松竹の担当者が選びました。

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