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薄化粧

公開年月日
1985年10月26日
キャスト
緒形拳
藤真利子
浅野温子
松本伊代
スタッフ
原作:西村望
脚本:古田求
監督:五社英雄
撮影:森田富士郎
照明:美間博
美術:西岡善信
音楽:佐藤勝
区分
邦画
ジャンル
人間ドラマ
本編尺
124分
カラー
カラー
製作国
日本
製作年
1985年

Introduction(作品紹介/概要)

妻子を殺した上に刑務所を脱走した男の生きんがための逃亡生活を描く。西村望原作の同名小説の映画化で、脚本は「危険な女たち」の古田求、監督は「櫂」の五社英雄、撮影も同作の森田富士郎がそれぞれ担当。五社英雄監督が、構想5年を経て映画化した注目すべき作品。卑小な人間欲望の切なさといらだち、更に底知れぬ人間の獣性とそれを突き抜けて求める情念のやさしさ、しがらみの哀しさを愛情をこめてしみじみと、そしてしたたかに描く、壮大な男と女の愛のドラマ。

Story(あらすじ)

昭和23年、坂根藤吉(緒形拳)はある山奥の鉱業所で坑夫として働き、妻ふくみ(浅利香津代)、息子喬と3人で暮らしていた。ある日、鉱山で落盤事故が発生し、坂根は鉱夫の代表として補償問題を会社側と掛け合ったが、逆に多額の裏金を会社側から掴まされてしまう。坂根の運命の歯車が狂いだしたのはこのときからであった。裏金を元に金貸しをはじめた坂根は、事故で夫を亡くした地所テル子(浅野温子)に接近し、親密な仲になった。この浮気が原因で妻ふくみと一人息子喬を次々と惨殺する。また、坂根は金を貸していることをだしに仙波徳一の妻すゑ(宮下順子)とも肉体関係を結び、すゑの一人娘弘子(松本伊代)にまで手を出そうとする。しかし、弘子は坂根からたくみに金を引き出し、鉱業所の課長と結婚してしまう。小娘に翻弄されたことに気づいた坂根は、弘子の婚礼の夜、仙波家をダイナマイトによって木端微塵に吹き飛ばした。この爆破容疑で逮捕された坂根は、真壁刑事(川谷拓三)、松井刑事(大村崑)の執拗な追求に合い、ふくみ・喬殺しも発覚してしまう。留置場に入れられた坂根は突然、隠し持っていた剃刃で自殺をはかるが、奇跡的に一命はとりとめた。昭和27年、坂根は刑務所を脱走し、以後、素性を隠しながら各地の飯場を転々する流浪の旅が続いた。そんな逃亡生活の果てに、坂根は一人の薄幸の女・内藤ちえ(藤真利子)と巡り合い、一時の幸せを手に入れるのだが・・・。

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「薄化粧」のちょっといいセリフ

来てしもうたがです。諦めてばっかりおるがは、嫌です。
あて、いっぺんぐらい、あての思う通りにしたかったがです。

セリフを選んだ理由
妻とまだ幼い息子を含む四人の殺人容疑で収監されていたが脱獄、指名手配中の坂根藤吉(緒形拳)は、逃亡先で小さな飲み屋を営むちえ(藤真利子)と出会う。別の女を作った夫に捨てられた経験により、愛し愛されるということを諦めていたちえは、坂根と交流するうちに、いつしか惹かれていたのだった。一方、欲望と獣性の赴くままに犯罪を犯し続けてきた坂根にとって、ちえは初めて会った菩薩のような女だった。しかし、坂根の逮捕に執念を燃やす刑事・真壁(川谷拓三)の追跡が間近に迫っていることを悟った坂根は、ちえの元から去ろうとする。このセリフは、そんな坂根を駅まで追いかけて着たちえによるものです。すべてを投げ捨ててまで、愛する男にすがろうとするちえの、愛を、幸せを、人生を諦めたくない心の叫びでした。しかし、真壁が坂根を追い詰める決定的な手掛かりとなったのは、皮肉なことに、他ならぬちえという存在だったのです…。
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