©1948松竹株式会社
肖像
- 公開年月日
- 1948年8月3日
- キャスト
- 井川邦子
三宅邦子
三浦光子
菅井一郎
東山千栄子
佐田啓二
- スタッフ
- 脚本:黒澤明
監督:木下惠介
撮影:楠田浩之
照明:豊島良三
美術:小島基司
音楽:木下忠司
- 区分
- 邦画
- ジャンル
-
人間ドラマ
- 本編尺
- 73分
- カラー
- モノクロ
- 製作国
- 日本
Introduction(作品紹介/概要)
木下惠介監督の盟友でもあり良きライバルでもある黒澤明が、木下監督のために書き下ろした脚本を映画化。木下映画の資質に沿ったヒロイン映画としての体裁の中、芸術が人の心を気高く変えていくというメッセージは、黒澤ならではのものと言えよう。なお作品完成後、木下は黒澤から「僕ならこう撮る」とズケズケ本音で感想を言われたものの、その意見を真摯に受け止め、もっとスケール豊かに発想していかなければならないと反省したとのことである。その後、再び木下監督、黒澤脚本で時代劇大作「落城」が企画されたが、残念ながら実現に至らなかった。
Story(あらすじ)
ミドリ(井川邦子)は若いお妾であった。その旦那の金子(小沢栄太郎)は家屋売買のブローカーで、商売友達の玉井(藤原釜足)と二人で、格安なアトリエつきの家を買った。だがその家には老画家の野村一家ががんばっている。金子も玉井もこれには手こずったが、結局野村(菅井一郎)が二階の一間をあけるというので、野村を追い出す算段のため金子がその室に入ることになった。引っ越しの日、ミドリはふてくされていたが、意外にも野村一家の人たちから「お嬢さん」として迎えられ、やむなく金子とミドリは父娘として住みこんでしまう。下のアトリエに住む野村一家とは野村画伯とその細君(東山千栄子)、明るい娘陽子(桂木洋子)、まだ復員しないせがれ一郎(安部徹)の妻久美子(三宅邦子)とその子英一たちで、だれもかれも今の世にめずらしい善人であった。その人たちの中でミドリはいつか貧しいけれど明るい健康な生活に対する憧れに似たものが胸にひろがり、今まで濃いルージュをぬった唇に煙草をくわえていた様な彼女が形だけでもお嬢さんらしく振舞うことに、かすかな喜びを感じるのだった。そうしたある日、野村から肖像を描かせてくれと懇望されたミドリは、野村の澄んだ瞳の中で自分の本当の姿が見破られることを怖れたがとうとう承諾してしまい…
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