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鑓の権三

公開年月日
1986年1月15日
キャスト
郷ひろみ
岩下志麻
火野正平
田中美佐子
スタッフ
原作:近松門左衛門
脚色:富岡多恵子
監督:篠田正浩
撮影:宮川一夫
照明:佐野武治
美術:粟津潔
音楽:武満徹
区分
邦画
ジャンル
時代劇
人間ドラマ
本編尺
126分
カラー
カラー
製作国
日本
製作年
1986年

Introduction(作品紹介/概要)

篠田正浩監督が『心中天網島』以来の近松門左衛門原作に挑んだ豪華大作。絢爛たる様式美を駆使して描いた凄絶な映像世界の美しさは見る者を魅了する。郷ひろみ演じる絶世の美男子・権三をめぐり岩下志麻、田中美佐子が美と官能の競演を果たした。武士道。茶の道。元禄。官能。日本が誇る文化が愛と憎しみのドラマを際立たせる。1986年度ベルリン映画祭・銀熊賞を受賞。

Story(あらすじ)

出雲の国・松江藩の表小姓、笹野権三は器量がよく、槍さばきのみごとさでは右に出る者がいない。その上、茶の道にも通じていた。彼は同家中の川側伴之丞の妹・お雪とやがては夫婦なると契っていたが、一日も早い祝言を迫るお雪ほどには性急に一家を構える情熱はなかった。江戸表から、主君に御世継が誕生したという吉報が届いた。国許では近隣の諸国一門を招き、振る舞いの馳走のため、真の台子の茶の湯がなされることになった。真の台子とは茶の湯の極意のことであり、茶の道で名を成せば立身出世の道も開ける。権三と伴之丞の茶道の師・浅香市之進が主君の供で江戸詰、国許は留守とあって、権三と伴之丞のうち一人が殿中饗応の真の台子を勤めることになった。権三は真の台子の伝授方を、市之進の妻・おさゐに懇願する。おさゐは伝授の替わりに娘の菊を貰ってくれと頼み、権三は承諾する。権三と入れちがいに、浅香家を訪れたお雪の乳母は、そんなこととは知らず、おさゐに権三とお雪の関係を打明け、その仲人を頼み込む。その夜ふけに、おさゐを訪ね伝授の巻物を披見した権三は、お雪のことで嫉妬するおさゐの狂態に悩まされ、帯を庭先に放り出される。その帯は、お雪が権三に贈ったものだった。おさゐに色仕掛けで伝授の巻物を奪い取ろうと庭先に忍び込んでいた伴之丞が帯を拾った。そして、伴之丞は不義密通を大声で叫んだ。おさゐと権三は世間への申訳も立たず、やむなく屋敷を出て、あてもなくどこかへ逃れていく・・・。

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