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黒革の手帖

キャスト
山本陽子
田村正和
渡辺美佐子
萬田久子
小沢栄太郎
吉行和子
井上孝雄
黒田福美
白川由美
ハナ肇
三國連太郎
スタッフ
原作:松本清張
脚本:服部佳
区分
TVドラマ
ジャンル
ミステリー・サスペンス
人間ドラマ
本編尺
45分×6話
カラー
カラー
製作国
日本
製作年
1982年

Introduction(作品紹介/概要)

何度もドラマ化された松本清張の名作の初ドラマ化作品。山本陽子をはじめ、田村正和、三國連太郎といった名優が多数出演。銀行に勤務する地味な女性が野望に邁進し、夜の銀座でのし上がっていく様を描くピカレスクサスペンス。

Story(あらすじ)

昭和銀行に勤続15年。原口元子は重宝に使われるだけの生活に見切りをつけていた。莫大な隠し預金の存在を知った彼女は、半年間慎重に計画を練り、ついに7500万円の横領に成功。勝ち誇った元子は退社し、横領金を元手に銀座でクラブを開店するが…。

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「黒革の手帖」のちょっといいセリフ

ママも大変ですね

セリフを選んだ理由
銀行員の原口元子(山本陽子)は、勤め先の銀行に複数もの架空名義の裏金口座の存在を突き止め、それをネタに上層部から口止め料として大金をせしめた後に退職、銀座でホステスの修行を経て自分のクラブ「カルネ」をオープン、オーナーママとなっていた。やがて、架空名義預金者の一人・楢林(三國連太郎)をカルネの客にし、色仕掛けで篭絡、架空名義預金をネタに脅して再び大金をせしめることに成功する。

ところが、ある日、かつて元子がカルネで雇っていた若手のホステスで、独立して自分の店を持つためにカルネを辞めていった波子(萬田久子)が乗り込んで来た。波子は楢林の愛人で、贅沢三昧の放蕩生活を送るばかりか、楢林の架空名義預金を投じた資金援助により、カルネと同じビルの上層階に全てにおいてカルネの上をゆく自分の店を持つ算段だったのだが、元子に大金をせしめられた楢林は余裕が無くなり、波子への援助を打ち切ったのだった。

パトロンを元子に奪われたかたちの波子は怒髪天を衝く勢いで元子を口汚く罵った挙句に掴みかかる。一方の元子も黙っておらず、暴力には暴力で応戦、銀座の女同士の喧嘩は泥仕合の様相を呈する。なんとか周りの制止で収まった騒動だが、間の悪いことに、その一部始終を、元子がほのかな想いを寄せる相手である、出馬を前にした政治家の卵でカルネの新しい常連客になりつつあった安島富夫(田村正和)が見ていた。

このセリフは、女同士の喧嘩が終わったばかりの、傷つき乱れた元子に安島がかけた言葉。他人行儀で表面的な社交辞令に過ぎない、軽く薄っぺらい言葉だが、それはこの場にあって多くの言葉を費やすのは元子にとっても気まずいだろうとの配慮があってのこと(→筆者の勝手な憶測)、この数日後、落ち着きをみせた元子に対して余りにも正論すぎてぐうの音も出ないような、それでいて元子を優しく包み込むフォローの言葉があった。まさに、男も惚れるモテ男。それは、どんな言葉だったのか、本編で確かめるべし。
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