©1981小栗事務所(木村プロ自主製作/製作木村元保)
泥の河
- 公開年月日
- 1981年1月30日
- キャスト
- 田村高廣
藤田弓子
朝原靖貴
加賀まりこ
- スタッフ
- 原作:宮本輝
脚本:重森孝子
監督:小栗康平
撮影:安藤庄平
照明:島田忠昭
美術:内藤昭
音楽:毛利蔵人
- 区分
- 邦画
- ジャンル
-
人間ドラマ
- 本編尺
- 105分
- カラー
- カラー
- 製作国
- 日本
- 製作年
- 1981年
Introduction(作品紹介/概要)
大阪安治川河口を舞台に、河っぷちの食堂に住む少年と、対岸に繋がれた廓舟の姉弟との出会いと別れを描く。第十三回太宰治賞を受賞した宮本輝の同名の小説を映画化したもので、自主製作、自主公開という小さな取り組みから始まった本作は、欧米はもとより、旧ソ連邦、中国やアジア諸国にまでその配給をひろげて、今日でも名作として語り継がれている小栗康平監督のデビュー作。1982年度アメリカアカデミー賞外国語映画賞ノミネート作品。
Story(あらすじ)
朝鮮動乱の新特需を足場に高度経済成長へと向かおうとしていた昭和三十一年。河っぷちの食堂に毎日立ち寄っていた荷車のオッチャンが事故で死んだ。ある朝、食堂の息子、信雄は置き去りにされた荷車から鉄屑を盗もうとしていた少年、喜一に出会った。喜一は、対岸に繋がれているみすぼらしい舟に住んでおり、信雄は銀子という優しい姉にも会った。信雄の父、晋平は、夜、あの舟に行ってはいけないという。しかし、父母は姉弟を夕食に呼んで、暖かくもてなした。楽しみにしていた天神祭りがきた。初めてお金を持って祭りに出た信雄は人込みでそれを落としてしまう。しょげた信雄を楽しませようと喜一は強引に船の家に誘った。泥の河に突きさした竹箒に、宝物の蟹の巣があった。喜一はランプの油に蟹をつけ、火をつけた。蟹は舟べりを逃げた。蟹を追った信雄は窓から喜一の母の姿を見た。裸の男の背が暗がりに動いていた。次の日、喜一の舟は岸を離れた。「きっちゃーん!」と呼びながら追い続けた信雄は、悲しみの感情をはじめて自分の人生に結びつけたのである。船は何十年後かの繁栄と絶望とを象徴するように、ビルの暗い谷間に消えていく。
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