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黒薔薇の館

公開年月日
1969年1月25日
キャスト
丸山明宏
田村正和
川津祐介
松岡きっこ
西村晃
小沢栄太郎
スタッフ
脚本:松田寛夫/深作欣二
監督:深作欣二
撮影:川又昂
照明:三浦礼
美術:熊谷正雄
音楽:鏑木創
区分
邦画
ジャンル
人間ドラマ
本編尺
90分
カラー
カラー
製作国
日本
製作年
1969年

Introduction(作品紹介/概要)

前年の『黒蜥蜴』に続く、深作欣二監督による、女装の麗人・丸山明宏主演の異色作。黒薔薇の館に君臨する謎の美女と、組織を裏切って人を殺し、組織と警察の両方から追われる青年との死をも恐れぬ絶対の愛を描く。前作は三島由紀夫の舞台劇の映画化だったが、今回は映画用のオリジナル・ストーリー。

Story(あらすじ)

藤尾竜子(美輪明宏)は、佐光(小沢栄太郎)が経営するクラブ「黒薔薇の館」で純粋至上の愛を歌い、男たちを陶酔させた。崇拝者たちは、種々の手段を講じて竜子に近づこうとしたが誰一人、彼女の気に入る者はいなかった。佐光もまた、彼女を愛するものの一人だった。ある日、竜子のかつての男が、復縁を迫り混血少年のジョージ(ジョージ山中)と決闘して即死した。その惨事を見て竜子の瞳は、妖しくも美しく輝くのだった。それから数日、竜子は佐光に自分の愛の遍歴を打ち明けた。それは、求め続けながらいまだ獲得出来ない絶対の愛についての嘆きだった。その時佐光は、彼女を慰め、「黒薔薇の館」を彼女の手に委ねた。竜子の意匠のもとに改装された「黒薔薇の館」は官能的な幻想の世界に変貌し、会員たちを驚かせた。「館」の主人になった竜子は女王の気品を備え、ますます男たちを魅了した。佐光はそんな有様に幸福だった。しかし、彼の幸福は長続きしなかった。佐光と亡妻との間に生まれた一人息子亘(田村正和)が舞込んで来たのだ。亘はヤクザの世界に入っていたが、組織を裏切った殺人行為で、警察と殺し屋の両方から追われていた。追いつめられた亘の姿は、竜子の心を強烈に惹きつけた。佐光は愛人を奪われた嫉妬から息子を罵り、殺し屋たちは竜子をも巻き添えにすると脅迫してきた。亘は死を覚悟し街に出る決意をした。竜子と亘との、死をも恐れぬ至上の愛が美しく燃えた。やがて、二人を探し廻る佐光は港でおり重なって息絶えている亘と竜子の姿を発見するのだった。

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