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酔っぱらい天国

公開年月日
1962年2月4日
キャスト
津川雅彦
倍賞千恵子
笠智衆
有馬稲子
石浜朗
伴淳三郎
スタッフ
原案:渋谷実
脚本:松山善三
監督:渋谷実
撮影:長岡博之
照明:小泉喜代司
美術:浜田辰雄
音楽:黛敏郎
区分
邦画
ジャンル
人間ドラマ
本編尺
93分
カラー
モノクロ
製作国
日本
製作年
1962年

Introduction(作品紹介/概要)

松山善三のオリジナル・シナリオを渋谷実が監督した得意の社会風刺ドラマ。撮影は長岡博之が担当している。渋谷監督が『もず』『好人好日』に続いて三たび描く親子の情愛もの。

Story(あらすじ)

日本鋼材の会計課長渥美耕三(笠智衆)は十年前に妻を亡くし、一人息子の史郎(石浜朗)との二人暮し。二人とも大変な大酒のみである。耕三は近所に住む長谷川きみ(岩崎加根子)が、夫の清(伴淳三郎)の酒のことで相談にくると、「酒は静かにのむべきだ」と説教するが、彼自身は飲むとがらりと人が変ってしまう。先日も、のみ友達であるトップ屋くずれの小池(三井弘次)と二人で泥酔、酔っぱらい保護センターに保護される仕末だ。ある日、史郎は突然結婚すると言い出した。相手は看護婦をしている桜井規子(倍賞千恵子)だと言う。史郎はどうしても結婚したいため赤ん坊ができていると嘘まで言った。その一言に耕三は渋々、規子に会った。喜んだ史郎は友人の森山(佐藤慶)と飲み歩いた。森山はバー、ベンハーの女給節子(有馬稲子)に惚れていた。然し、節子はたまたまのみに来ていた東京ファイターズのエース片岡(津川雅彦)の側を離れない。面白くない森山は、些細なことから片岡と喧嘩を始めた。とめに入った史郎は、片岡のバットに撲られて病院にかつぎこまれた。耕三は片岡を告訴しようと考えるが、ファイターズの監督が耕三の会社の専務と友人である関係上、専務を通じて示談にされてしまった。史郎はその晩死んでしまった。悲しみのどん底に突き落された耕三は史郎の愛した規子を引取り、いずれ生れてくるであろう孫を中心に静かに余生を送ろうと考えていた。一方、片岡は史上八人目の完全試合を完成、球界の英雄と騒がれていた。規子は片岡に復讐を決意、片岡が自動車に乗る時、その右腕をドアーにはさもうとした。然しそれは失敗に終った。片岡は規子をナイトクラブに誘い、自分も悩んでいるのだと言った。それから片岡と規子は度々逢うようになった。規子は或る夜、片岡と一夜を共にした。耕三はそれを知り、また規子の妊娠も嘘だと知らされて全てに絶望。泥酔は毎夜のようになった。会社も休み、家の中にとじこもり史郎の写真を前に、毎日が酒びたりだ。

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