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惜春鳥

公開年月日
1959年4月28日
キャスト
津川雅彦
小坂一也
石浜朗
川津祐介
山本豊三
有馬稲子
佐田啓二
スタッフ
脚本:木下惠介
監督:木下惠介
撮影:楠田浩之
照明:豊島良三
美術:梅田千代夫
音楽:木下忠司
区分
邦画
ジャンル
人間ドラマ
本編尺
102分
カラー
カラー
製作国
日本
製作年
1959年
公式サイト
https://www.cinemaclassics.jp/kinoshita/

Introduction(作品紹介/概要)

会津若松で育ち、東京の大学に通う岩垣が久々に帰省し、4人の友人と再会した。しかし、現在の立場や環境を異にする彼らには、既にそれぞれの人生の苦悩があり・・・。人が純粋なまま歳月を積み重ねていくことの困難と、それでも変わることのない友情の美しさを綴る青春映画。かつて討幕軍に徹底抗戦して全滅した白虎隊の若者たちと彼らをダブらせながら、そのリリシズムを際立たせている。木下監督が発掘した若手俳優たちが織りなす美意識の濃厚な発露ゆえに、本作の場合さらに奥深く複合的な人間観察が瑞々しくも秀逸に描出されており、堕ちた元エリートの岩垣(川津祐介)と、彼を慕う彰(山本豊三)との関係性もさながら、彼らの兄貴分でもある牧田(佐田啓二)と白虎隊の舞を踊る芸者みどり(有馬稲子)虚無的存在感が彼らの人生を包み込んでいくあたりも圧倒的である。

Story(あらすじ)

会津の飯盛山、白虎隊の墓前で、一人の青年が吟ずる“少年白虎隊”の詩にあわせて四人の青年が剣舞を舞っていた。詩を吟じているのは会津塗りの下職をやっている馬杉彰(山本豊三)、舞っているのは大滝旅館の息子・峯村卓也(小坂一也)、工場に働く手代木浩三(石浜朗)、“サロンX”の息子・牧田康正(津川雅彦)、それにアルバイトしながら東京の大学に通っている岩垣直治(川津祐介)。岩垣の帰郷を機会に久しぶりに旧交を温める5人だったが、彼らの胸には幼き日の友情と現在のそれぞれの境遇の変化からきた感情の食違いが複雑に流れていた。というのも岩垣は出資者・鬼塚の家の女中と変なことになって追出されてきたのであり、そんな彼を手代木は冷く責め、馬杉は生一本にかばっていた。康正の家にも東京から叔父の英太郎(佐田啓二)が転りこんできていた。彼は土地の芸者みどり(有馬稲子)と駈落ちしたが、みどりは芸者屋の女将に連れ戻され、彼自身は胸を患っていた。康正の母・米子は質屋の桃沢悠吉の妾で英太郎にいい顔をしなかったが康正はこの叔父が好きで、再び芸者をしているみどりと会わせてやりたいと思った。がみどりは近く鬼塚の妾になる身の上だった。そんなある日、桃沢家に、悠吉の妻・たねの姪で養女にしていた蓉子に婿養子をもらう話が鬼塚の肝いりで持ち上がった。相手に見込まれたのは手代木である。ところが蓉子は康正を慕っていた。康正は本妻と妾の子といったお互いの関係から蓉子を諦めていたのだが。手代木は蓉子と見合する前に、友達として康正に一言断りに来たが康正は是認するほかなかった…。

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