心に残る家族の映画、おすすめ8選
新しい年がスタートしました。旧暦では月の呼称に「和風月明」という和風の呼び名が使用され、1月は「睦月」と呼ばれていました。その由来は「睦び月(むつびつき)」が略されたという説が一般的で、新年を祝って家族や親族が集まり、睦び親しむ月だからというもの。
映画でも身近なテーマとして「家族」の数だけ様々な物語が生まれてきました。
戦後日本における家族の崩壊を描いた小津安二郎監督代表作『東京物語』や、作家・井上靖の自伝的小説を映画化した『わが母の記』、シングルマザーになった女性が血の繋がりのない家族と共に人生を再出発する姿を描いた『かぞくいろーRAILWAYS わたしたちの出発ー』と、家族の姿からその時代の空気を感じることができるのも「家族映画」の面白いところ。
その他にも、広瀬すずがコメディ初挑戦!“2日間だけ死んじゃう薬”をめぐって父と子が大騒動を巻き起こす『一度死んでみた』や、強い絆で結ばれた1人と1匹の物語に涙腺崩壊の『旅猫リポート』、森で暮らす風変わりな一家が旅に出たことから巻き起こる騒動を笑いと涙で描いた『はじまりへの旅』などおすすめの“家族の物語”を8本ご紹介します。
特集作品
わが母の記
小説家の伊上洪作は、幼少期に兄妹の中でひとりだけ両親と離れて育てられたことから、母に捨てられたという想いを抱きながら生きてきた。父が亡くなり、残された母の暮らしが問題となり、長男である伊上は、妻と琴子ら3人の娘たち、そして妹たちに支えられ、ずっと距離をおいてきた母・八重と向き合うことになる。老いて次第に失われてゆく母の記憶。その中で唯一消されることのなかった、真実。初めて母の口からこぼれ落ちる、伝えられなかった想いが、50年の時を超え、母と子をつないでゆくーー。
かぞくいろ ―RAILWAYS わたしたちの出発―
東京で幸せな結婚生活を送っていた晶は、夫・修平の突然の死によりシングルマザーとなる。生活は一変し、晶は、修平の連れ子・駿也と共に夫の故郷・鹿児島へ。そこには、修平と疎遠だった義父・節夫が暮らしていた。運転士の仕事一筋で生きてきた節夫は、突然やってきた晶たちに戸惑いながらも、3人での暮らしが始まる。晶は、亡き修平の子供の頃の夢でもあり、電車好きな駿也のために、鉄道の運転士を目指すことを決意。「このままじゃダメだって分かってます。変わりたいんです。」母として、不器用ながらもまっすぐに生きようとする晶の姿に、これまで家族を顧みずにひとり生きてきた節夫も心を動かされはじめる――。
はじまりへの旅
ベン・キャッシュと6人の子供たちは、現代社会に触れることなくアメリカ北西部の森深くで暮らしていた。父仕込みの訓練と教育で子供たちの体力はアスリート並み。みな6ヶ国語を操り、18歳の長男は名立たる大学すべてに合格。しかしある日入院していた母・レスリーが亡くなり、一家は葬儀のため、そして母の最後のある“願い”をかなえるため旅に出る。葬儀の行われるニューメキシコまでは2400キロ。チョムスキーは知っていても、コーラもホットドッグも知らない世間知らずの彼らは果たして、母の願いを叶えることが出来るのか・・・?
家族はつらいよ
結婚50年を迎えようとする夫婦。たまには妻に誕生日のプレゼントでも買ってやろうかと夫が欲しいものを聞いてみると、妻の答えはなんと・・・「離婚届」!一家に突然降りかかる、まさかの“熟年離婚”騒動に、子供たちは大慌て。 さらに、離婚騒動を解決しようと開かれた家族会議では、全員の不満があちらこちらから噴出!一家の運命やいかに!?
一度死んでみた
父親のことが大嫌い、いまだ反抗期を引きずっている女子大生の七瀬(広瀬すず)。売れないデスメタルバンドでボーカルをしている彼女は、ライブで「 一度死んでくれ! 」と父・計(堤真一)への不満をシャウトするのが日常だった。そんなある日、計が本当に死んでしまった との知らせが。実は計が経営する製薬会社で偶然発明された「2日だけ死んじゃう薬」 を飲んだためで、計は仮死状態にあるのだった。ところが、計を亡き者にしようとするライバル会社の陰謀で、計は本当に火葬されてしまいそうに大嫌いだったはずの父の、絶体絶命のピンチ に直面した七瀬は、存在感が無さすぎて“ゴースト”と呼ばれている計の部下・松岡(吉沢亮)とともに、父を救うため立ち上がることを決意する。火葬までのタイムリミットは2日間。はたして七瀬は無事、計を生き返らせることができるのか――!?
旅猫リポート
野良猫として誇り高く、タフに生きてきたナナ(声=高畑充希)。人間は信用ならないし、なれ合うなんてまっぴら。でも定期的においしいものをくれる優しい青年・悟(福士蒼汰)のことは、ちょっと気に入っている。ある日、一瞬のタイミングのずれで車に轢かれ大けがを負ってしまったナナ。薄れゆく意識の中、ナナが必死で助けを呼んだのは悟だった。この日からナナは悟の猫になり、ふたりは家族になった。いつもナナのことを一番に考えてくれる、優しい悟。それなのに、ある事情で悟はナナを手放す決心をする。ナナの新しい飼い主を探すため、悟はナナを愛車に乗せ最初で最後の旅に出た。だがこれっぽっちも納得していないナナは、旅先で出会う悟の友達に心を開かない。小学校時代の友人(山本涼介)のところではゲージから出ようとせず、高校時代の友人夫婦(広瀬アリス、大野拓朗)の先住犬には喧嘩を売り、大騒ぎになる始末。困り果てた悟は、小さい頃からお世話になっている叔母(竹内結子)のもとを訪ねるのだが……。
東京物語
尾道に住む老夫婦、周吉ととみが東京で暮らす子供達を訪れるために上京する。子供達は久しぶりの再会で2人を歓迎するが、それぞれ家庭の都合もあり、構ってばかりはいられない。結局、戦死した次男の嫁、紀子が2人の世話をすることになる。老夫婦は子供達がすっかり変わってしまったことに気づくのであった。
母との約束、250通の手紙
思い込みが激しく負けん気の強いシングルマザーのニーナ。彼女は息子のロマンがフランス軍で勲章を受けて外交官になり、大作家になると信じてその才能を引き出すことに命を懸けていた。母と共にロシア、ポーランド、ニースに移り住んだロマンは、その溺愛の重圧にあえぎながらも、幼い頃に母と取り交わした「約束」を果たすべく、いよいよ努力を惜しまないようになっていく。ニーナは、自由フランス軍に身を投じ病に倒れ生死の境目を漂うロマンの下へも、激励の手紙を送り続けた。ついにロマンはパイロットとして活躍し、同時に念願の小説が出版されることに。しかし相変わらず届き続けるニーナの手紙には、なぜか息子の作家デビューを喜ぶ様子はなくー。