初めての歌舞伎におすすめ!身近な原作やテーマで観やすい作品6選
敷居が高いものと思われがちな歌舞伎。実は古典ばかりではなく、身近な原作やテーマを元にした新作歌舞伎があることをご存じでしょうか?
人気ゲーム「刀剣乱舞ONLINE」の歌舞伎化で観客を熱狂させた『刀剣乱舞 月刀剣縁桐』や、ルパン三世の世界を歌舞伎に融合させた『流白浪燦星(ルパン三世)』。映画版では描かれなかった原作ストーリーの完全舞台化に挑んだ『風の谷のナウシカ』と、お馴染みの原作も多数。 また、市川染五郎(現・松本幸四郎)と中島かずき、いのうえひでのり(劇団☆新感線)の強力タッグで上演された『歌舞伎NEXT 阿弖流為』、近年大ブームのゾンビが歌舞伎に登場した、作・演出、宮藤官九郎の『大江戸りびんぐでっど』など。 劇場にはちょっと…と思う方はまずBlu-ray&DVDで歌舞伎の世界に触れてみては?
そして、ちょっといいかも!と思って下さったらぜひ古典の世界にも。片岡仁左衛門、坂東玉三郎のゴールデンコンビが36年ぶりにこの演目で共演を果たし大きな話題になった『桜姫東文章』も必見です!
特集作品
シネマ歌舞伎 刀剣乱舞 月刀剣縁桐
時は西暦2205 年。室町時代後期の歴史を改変するために時間遡行軍が出撃した報告を受け、審神者は 三日月宗近、小烏丸、髭切、膝丸、同田貫正国、小狐丸の 六振りを呼び出し、永禄年間(1558 1570) に向かわせる。しかし三日月宗近は、逡巡する様子を見せる。実は時の将軍足利義輝は、三日月宗近の最初の主であったとも、その愛刀であったとも伝わるためである。やがて永禄の世に顕現した刀剣男士たちは、足利義輝や紅梅姫、執権の松永弾正、久直親子たちと交錯しながら、歴史を守るための戦いに身を投じていく 。
新作歌舞伎『流白浪燦星』
ルパン三世(流白浪燦星)・次元大介が狙うのは、饒速日(にぎはやひ)一族の生まれ変わりが雌雄一対の刀で隕石を切り拓くと手に入れることができる「卑弥呼の金印」。雌の刀を持ち天下の大泥棒として名を馳せる石川五右衛門に対決を挑むところへ、峰不二子と銭形刑部が現れ、逃走するルパンたち。一方、時の天下人、太閤・真柴久吉らもその宝を狙っていた。そんな中、逮捕された五右衛門を釜茹での刑から救い出したルパンは、五右衛門のなじみの傾城・糸星太夫が饒速日の一族の生まれ変わりだと知り…。
新作歌舞伎 風の谷のナウシカ
巨大な産業文明は火の7日間と呼ばれる戦争によって滅び、大地のほとんどは巨大な蟲が生き、有毒な瘴気を発する菌類の森、腐海に覆われた。それでも人間同士の争いは止むことがなく、トルメキア王国と土鬼(ドルク)諸侯国連合帝国の2大国が対立している。
「風の谷」は風を操る民が住む辺境の小国でトルメキアとは古い盟約を結んでいる。ナウシカは族長の娘で、人々が恐れる腐海に親しみ、蟲を愛し、心を通わせ、腐海が生じた謎を解き明かしたいと思っている。
あるとき、風の谷と同じく、盟約を結んでいる小国ぺジテで、火の7日間で世界を焼き尽くした兵器「巨神兵」を復活させる力を秘めた秘石が発見された。トルメキアは秘石を手にするためぺジテを滅ぼし、さらに土鬼(ドルク)との戦争を始める。
偶然、秘石を手にしたナウシカは盟約を守り出陣すると、愚かな戦争や、腐海や蟲の起こす困難に立ち向かい、黄昏ゆく世界に希望の光を灯すため、歩み続ける。
シネマ歌舞伎 歌舞伎NEXT 阿弖流為 〈アテルイ〉
古き時代。北の民 蝦夷(えみし)は国家統一を目論む大和朝廷に攻め込まれていた。そこに、かつて一族の神に背き追放された阿弖流為が、運命の再会を果たした恋人 立烏帽子(たてえぼし)と共に戻り、蝦夷を率いて立ち上がる。
一方、朝廷は征夷大将軍に、若くとも人望の厚い坂上田村麻呂を据え、戦火はさらに激化していく。戦いの中で、民を想うお互いの義を認め合いながらも、ついに2人が決着をつける時が迫り来ようとしていた。
シネマ歌舞伎 大江戸りびんぐでっど
屍、貸します。時は江戸時代、処は大江戸。くさや汁を浴びた死人が“ぞんび”として生き返った。人に噛みつき増え続ける“ぞんび”に江戸の町は大騒ぎ。
くさやの名産地新島出身の半助は、くさや汁を体に塗ることで彼らを従わせることに成功する。想いを寄せるお葉と共に、何と人間の代わりに“ぞんび”を働かせる人材派遣会社「はけんや半助」を起業する。“ぞんび”は文句も言わずに人間の嫌がる仕事を安く請け負い、商売は大繁盛となった。しかしやがて派遣に仕事を奪われた人間たちが現れ、切っても死なない派遣“ぞんび”VS失業者の争いが始まろうとしていた。
シネマ歌舞伎 桜姫東文章
僧 清玄は、稚児の少年白菊丸と道ならぬ恋の果てに心中を図るが、一人生き残ってしまう。17年後、高僧となった清玄は桜姫と出会う。彼女は白菊丸の生まれ変わりなのか…。
一方、家宝の巻物「都鳥」を盗まれ御家没落のため出家を心に決めた桜姫には秘密があった。かつて暗闇の中で自分を犯した男の子どもを秘かに生み落とし、今でも一夜の甘美な思い出として、その肌が忘れられずにいた。ある日、腕に鐘の刺青のある男、釣鐘権助とめぐり逢う。権助こそ、桜姫の思う相手。再び権助に身を委ねる桜姫。しかしその密会が明るみになり…。